東ドイツ国鉄 DR 断熱車 Interfrigo GK 17-52-53 (Piko 5/6407-011)

 今回は東ドイツ国鉄が運用した断熱車 GK 17-52-53 について紹介します。

 と言いつつ、私は先日までこの車のことを何も知りませんでした。

 二重屋根になっている出来の悪いG-10程度の認識しかなかったのです。

 ところが、このところ貨車について調べているときにこちらのHPを見て、初めてこの貨車の素性がわかりました。

 実はこの貨車ですが、ドイツの貨車ではありません。

 イタリア国鉄の冷凍車Hgだったのです。

 言われてみると、トンガリ屋根など確かにドイツらしくないデザインですね。

 農業生産が盛んで、柑橘類などをヨーロッパの各国に輸出していたイタリアでは、古くから冷凍車が使用されてきました。

 なんと1856年には既に使用されていたそうです。

 1905年に発足したイタリア国鉄FSでも、冷凍車は多用され、木造冷凍車は1980年代末まで使われました。

 こちらの冷凍車Hgは1931年から製造が開始され、1970年代の終りまで使われたそうです。

 ご覧のように、車体は木製で、断熱構造になっています。

 実車の写真を見ると、ドア部が大分厚くなっているのがわかります。

 また断熱性能を高めるために、二重屋根になっていますね。

 床も木製だったそうです。

 まだ鉄道用の冷凍機が実用化される前の時代的ですので、氷式です。

 説明はありませんでしたが、写真からすると上部の2箇所のドアから氷を充填したように思います。

 本車はフランスのカレーやダンケルク、ベルギーのゼールブルッヘを経由して、遠くイギリスまで航送されました。

 よって、他の航送貨車と同様、英国の車両限界に合わせており、車幅はFSの2,904mm→2,504mmでした。

 あと、古い時代には急行列車に併結されることがあったので、蒸気暖房管を装備していたようです。

 それでどうしてFSの車両が、東ドイツ国鉄の所属になっているかと言うと、東ドイツ国鉄DRは、第2次世界大戦中、ポーランドなどの一部を除き、領内に残った車両を本国へ返還しなかったからだそうです。

 確かに模型鉄道の世界では、例えばROCOのFS多扉客車など、DR標記の外国の車両がいくつか発売されていますね。

 なお、ドイツ連邦鉄道DBは、ほとんどのケースで本国へ返還しました。

 ただし、ポーランドの蒸気機関車やソ連製の貨車など、一部返還されなかったものもあるようです。

 話を戻しまして、本車のDRの型式・車番は、Gk 17-52-53ですが、Gk 17は断熱冷凍車を示します。

 ただし、2番目および3番目の2桁の数字が何を表すのか、残念ながら全くわかりませんでした。

 それで本車はINTERFRIGO標記になっております。

 INTERFRIGOは生鮮食品をヨーロッパ全土に鉄道輸送するために1949年にバーゼルで設立されました。

 この仕組みがいまいちよくわかりませんが、WikiにはDBやDRをはじめ、欧州各国の鉄道が貨車を借りたとあります。

 会社の発足が1949年ですから、Hgが含まれていても不思議はありませんが、こちらの氷記号に似たロゴは1970年代後半以降のものらしく、それ以前は車体中央部にゴシック体ぽい字で「INTERFRIGO」と書かれておりました。

 そうしてみると何かおかしいように思います。

 こちらはPikoの模型ですが、恐らく1960~1970年代のものと思われます。

 当時の同社は世界的に見ても高い水準にありました。

 現在の目で見ると、素朴に見えるかもしれませんが、今から半世紀前にしては、モールドされているランプ掛けや二重屋根など、なかなか良く出来ているように感じます。

 黄ばんでしまった白塗装や、あまりきれいではない印刷がいまいちですので、レタリングが入手できるのなら、いっそ、FSに戻した方が良さそうです。

 なお、上記のHPにも記載がありますが、今回参考にしたOスケールモデルのカタログと比べると、全長がやや短いようにも感じられます。

 ただし残念ながら、全幅以外の主要DATAは入手できませんでしたので、正確なところは不明です。

 東独時代のピコですので、車輪は成型によるもののようですが、これは良くないですね。

 特にこちらは腐食と言うか、踏面が相当傷んでいるので他のものに換えたいところです。


 なおHgですが、現在ではACMEからグレードの高い製品が、ブレーキ室の有無で発売されておりますし、この製品自体もTilligが継承しているような情報も見ました。


 他に比べてなんだか小さくて(これは正しかったわけですが)、変わったスタイル、そして黄ばんだ塗装に不鮮明なレタリングの上、DRなので、何とも使いにくいと思っていましたが、由来を知るとなかなか興味が出てきますね。

 やはり実車の情報って、模型趣味にはとても大切と思います。


2000/3/22 入線

2021/6/28 記


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