ドイツナローゲージ Spreewaldbahn 気動車 501 (Bemo 1033 813)
今回は、かつて東ドイツに存在した軌間 1,000mmのナローゲージ Spreewaldbahn の気動車 501について紹介します。
Spreewaldbahn はベルリン南東部に位置する都市 Lübben から Cottbus までを結んだ軌間1000mmのナローゲージ線です。
1898年に開業し、1970年までの長い間、地元の足として活躍しました。
こちらで紹介する 501は、動力近代化のために1934年に導入されたTalbot社製の気動車です。
<Spreewaldbahn 501 主要諸元>
バッファ間距離:10.86m、運転重量:12.7t、出力:65PS、駆動方式:カルダン方式、軸配置:A1、最高時速:55km、動輪径:700mm、座席数:28
上記のように1934年にアーヘンのタルボット車両製造会社で―両が製作されました。
導入の目的は、運用合理化、客貨分離、スピードアップにありました。
実際に同線のシュトラウピッツとゴヤッツ間13.8kmでは、蒸機列車よりも6分短縮したそうです。
レンズは入っていますが、ライトは点灯しません。
当初付随車を連結したようですが、脱線が続発したため、単行運用されるようになりました。
側面の文字 "Fliegender - Spreewälder" は、同じ頃登場したDRGの高速気動車 SVT 877
"Fliegender - Hamburger"をもじったものでしょう。
こちらはKATOが製品化しておりますので、皆様よくご存知と思います。
もっとも501は、僅か65HPの狭軌DCですから、本家とは異なり最高速度は55km/hでした。
車内には荷物室があり、引き戸で区分されていたようです。
主に通学列車で使用され、1970年の同線の廃線まで活躍しました。
もっとも最後の頃は、故障や交換部品の枯渇により動かなくなっていたようです。
なおSpreewaldbahn は、戦後、東ドイツの領域となり、国有化されました。
その影響もあり、501の車番は下記の変遷をたどりました。
Spreewaldbahn 501 → DR VT 133 523 (1949/4/1) → DR 187 002-1 (1970/6/1)
ただし本車は、1970年1月5日に廃車になりましたので、コンピューターナンバー化は実施されませんでした。
最終的に1974年にスクラップになっています。
以上、Wikipedia 独語版 Spreewaldbahn 501 及び Schmalspur Bahn Werke の記事を参照、引用させていただきました。
それで模型の方ですが、特殊な車両ゆえ、こちらで紹介するBemo製品が唯一の存在と思います。
こちらのBemo製品は、何の脈絡もなく発売されました。
1990年代、Bemo-Zuekeブランドで東独のナロー車両を発売しておりましたので、関連があるのかもしれません。
そうして見るとこの製品は、あまりBemoらしくないので、欧州型によくあるOEMかもしれませんが、詳しいことはわかりませんでした。
完全左右対称で平凡なスタイルですね。
模型はリベットがゴツゴツしていますが、実車の写真ではあまり目立ちません。
実物とは異なり、両方の軸を駆動します。
軸が可動しないので、集電はいまいちですが、減速比が大きいので、集電状態が良ければ安定した低速を発揮します。
走行音は高いですね。
8ピンコネクタ仕様になっています。
なお、この模型は軌間9mmですが、実物は1000mmですので、12mmがスケールになります。
たしかBemoから、交換用の車輪が出ていたと思いましたが、入手は難しいでしょう。
モールドはシャープではありません。
やはりBemoではないように思いますね。
こちらは偶然入手しました。
ほとんど見ることのないアイテムだけにラッキーでしたね。
単純な形状なので、模型としてはDR時代のツートンカラーの方が映えるかもしれません。
2003/11/9 中古
<余談>
Spreewaldbahnはコットブスの近くを走っていました。
北東にはハルベ、トイピッツ、ツォッセン(第9軍関係)、コットブス近傍にはシュプレムベルグ、ドレプカウ、ゼンフテンベルク(テッタウ軍団集団関係)など、第二次世界大戦最末期の激戦場がありました。
恐らくですが、戦争による被害も大きかったのでしょうね。
2018/12/13 記
2021/4/29 写真全面更新、文章書き換えの上、再録
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