ドイツ国鉄 DRG 私有タンク車 Elberfeld 542 149P "Persil" Fleischmnann (5435 K)
今回はDRGの2軸私有タンク車を紹介します。
こちらはHenkel社の私有貨車で "Persil" と大書されています。
このPersilっていうのは、貨車やミニカー等でよく見かけますが、Henkel社の開発した洗剤のようですね。
1907年に発売されたこの洗剤は、漂白剤と洗剤を組み合わせた最初の市販の洗濯洗剤であり、このブランドで現在も生産されています。
古典的なタンク車ですが、エポックIII時代まで使われていたようです。
模型はDRG時代で、台枠に25年3月31日なんて書いてあります。
こちらは私有貨車ですが、全く同じタンク車がよく見られることから、恐らく、メーカー毎の設計ではなく、標準的な設計だったものと思われます。
DRG時代のドイツの貨車には、型式及び "Gattungsbezirke" (分類都市名)がつけられましたが、このルールは私有貨車には適用されておりません。
ちなみにこちらに標記されている「Elberfeld 542 149 P」ですが、これは分類都市名ではなく、私有貨車の所属を表す標記です。
DRG時代の私有貨車は500 000-599 999までの車番+末尾に"P"がつけられました。
"P"はPrivateですね。私有貨車の末尾にPをつけるルールは、ヨーロッパ中で採用されています。
番号の頭には、その私有貨車が所属するライヒスバーン総局の名前がつけられました。
Elberfeldの所属私有貨車には、541 000 - 543 999 が付番されました。
こちらもそのルールに沿っていますね。
なおこのあたり、Deutschen Reichsbahn の記事を参照させていただきました。
ご存じの方も多いと思いますが、このHPはエポックII時代に関する貴重な資料が満載です。
是非ご覧になってください。
上記のように、このタイプのタンク車は、多用されたのだと思われます。
実車の写真も時々見ますし、模型の方も見栄えがするからでしょうか、Fleischmannだけでなく、MärklinやSachsenmodelleから、実にたくさんの種類が発売されておりますね。
上記のように、こちらはHenkel社の私有貨車で、化成品を運んだようです。
積荷の記載にグリセリンが読み取れました。
それから、542 149 Pの左側の網目は実際には塗装ではなく、貨車車票を入れる網状の袋になっています。
ブレーキ室付きですが、昔、集中ブレーキになる前の時代、機関車から合図をして、ブレーキ手が一斉に手動でブレーキを操作したのですよね?
今からでは信じられませんが。
模型の方ですが、1980年代のFLM製品ですので、大変繊細な出来だと思います。
手摺等は硬質プラスティックなので、破損しやすいため、取扱には十分注意して下さい。
スポーク車輪もいい感じですね。
軸受はブラではなく金属製になっております。
長期の使用を鑑みると、これはとても良いと思うのですが、残念ながらブリキ製なので、錆びることがあるのが欠点ですね。
2018/12/19 入線
2019/1/27 記
2021/5/16 写真全面更新、文章全面書き換えの上、再録
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