ドイツ連邦鉄道 DB 汎用電気機関車 BR 144 093-2号機 (ROCO 63614)

 今回はドイツ国鉄の戦前製の汎用電機 BR 144 (E 44)を紹介します。

 BR E 44はドイツ国鉄 DRG が開発した汎用電気機関車です。

 それまでの電気機関車は大型のモーターを車体に装備し、連結棒やギアなどで動輪を駆動しておりましたが、本機はドイツ国鉄で初めて、先従輪を持たず、吊り掛け駆動方式を採用し、確立した先駆的な機関車でした。

<BR E 44 主要諸元>

 バッファ間距離:15.29m、運転重量:78.0t、軸重:19.5t、連続出力:1,860kW、最高速度:90km/h、動輪径:1,250mm

 Krauss-Maffei、Henschel&Sohn、WLF、SSW(電気部品)により、1932年~1945年まで、更に戦後の追生産もあり、E 44 001~189までの187両が製造されました。(空番あり)

 これは、それまでの電気機関車で最も多い両数です。

 E 44は客貨両用の汎用機関車として、バイエルン、中央ドイツ、シューレジェン、更にはザルツブルクでも活躍しました。

 戦後、DBは125両を継承し、1984年まで使用しました。

 なおEDP(コンピューターナンバー)により、BR 144となりました。

 バリエーションとして、Wendezug用機関車 E 44G、電気ブレーキを装備した E 44Wがあります。後者はコンピューターナンバー化により、BR 145となりました。 

 DBは本機を南部ドイツで運用しました。

 優等列車や快速列車、各停まで牽きました。

 汎用ではありますが、実際の運用は旅客が多かったようです。

 ただし、Web検索の結果、貨物を引いている写真も見つけました。

 上記のように多様な列車を牽きましたが、写真ではUmbauwagen、n-Wagen (Silberringe)、yl-Wagen (Mitteleinsteigwagen)などを牽く姿がよく見られました。

 1983年に引退しましたが、現在、22両が何らかの形で保存されております。

 ただし、動態車はE 44 044号機だけだそうです。

 以上、Wikipedia 独語版 DR Baureihe E 44 より、参照、引用いたしました。

 それで模型の方ですが、Modellbau-Wiki によりますと、本機は多数模型化されております。

 一番古いのは、1952年のFleischmannであり、この模型は1959年まで作られたそうです。

 次は同じ1952年頃のPikoだそうですが、詳しくはよくわかりません。

 その次は、1954年のMärklin(3011)で、1980年まで作られたこの製品は、4軸のうち、固定された中央の2軸に動力が伝えられており、両端の軸は台車と一緒に首を振るという変わった構造でした。

 その次は1960年のFleischmannです。

 この製品は長命で、2001年まで作られました。

 あまり近くで見たことはないですが、時代的にはごつく、またオーバースケールでしたね。

 更に1966年のPikoが続きます。

 その次は1975年のROCOの初代製品となります。

 この製品も寿命が長く、バリエーションが1994年まで作られました。

 ただし、初期のROCO製品だけあって、ごつい出来であり、特に初期製品はモーターの性能が悪いのと、塗装が良くないのが難点でした。レタリングもお世辞にもきれいではありませんでした。

 更には機関室窓が裏から灰色で塗りつぶされていたように見え、なんとも感じが悪かったですね。

 ROCOは1989年、性能の良いモーターに交換し、塗装やレタリングが改善された改良製品を発売しました。

 これで感じは大分良くなりましたが、造形そのものは昔のままで、どこか不満の残る出来でした。

 というわけで、E 44は製品に恵まれていなかったのですが、2001年にROCOがそれまでの製品とは全く異なる全面改訂版を発売しました。

 それがこの製品です。

 旧製品の部品は一切使っていない、全面リニューアル製品です。

 ご覧のように全体の形状も似ていますね。 

 ディテールもとても細かくなりました。

 手摺の金属線が効いていますね。

 ちょっと色が剥がれていますが、運転室の手摺は本当にいい感じです。

 台車も実車も平板的ですが、よく再現されています。

 レタリングは本当にきれいになりました。

 機関室の手摺も別パーツでシャープです。

 酸化クロムグリーンもとても美しいですね。

 初代のなんとも冴えない色とは天と地の差があります。

 ボンネット脇の抵抗器など本当にシャープです。

 パンタもとても良くなりました。

 いいですね!

 レタリングもにじみがなく、シャープに決まっています。

 顔のアップ。

 リベットの感じもシャープでごつすぎず、いいと思います。

 ライトは小型化された晩年スタイルです。

 ROCOからは多数のバリエーションが発売されています。

 Ep. III仕様はそのうち紹介したいと思います。

 なお、HOのE 44はほぼ同じ2000年にMärklin/TRIXからも発売されました。

 ダイカスト車体のこのモデルも、なかなかいい感じです。

 更には2017年、BRAWAからも出たようです。 

 ということでBR E 44は、各社から実に多数が発売されており、比較的見かけることの多い機関車と言えましょう。

 あくまで個人的意見ですが、E 44も好きですが、ここまで競合するのなら、より生産量が多く、使用範囲が広いBR E 10/E 40の各種バリエーションを供給して競い合って欲しいと切に願います。

  

2002/2/19 入線

2021/2/15 記

2023/7/20 写真追加・更新 

 

 

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