プロイセン王国邦有鉄道 K. P. St. E. コークス貨車 Ommk(u) Kattowitz 32 658 (Sachsenmodelle 16226)
今回はプロイセン王国邦有鉄道 K. P. St. E. のコークス貨車 Ommk(u)について紹介します。
プロイセン王国邦有鉄道のOmmk(u)は、標準図 Ce146の20t積みのコークス車です。
1871年に宰相ビスマルクにより、ドイツは統一されましたが、その実態は各王国からなる、連邦国家です。
同様にドイツの鉄道は1835年に開通しましたが、1920年にDRGが発足するまで、各王国が独自の鉄道を運営しておりました。
この期間を模型の世界ではエポックIと称しております。
19世紀末、プロイセン王国邦有鉄道において、車両や鉄道施設の規格化(Normalie)が行われ、1/40で書かれた規格図が制定されました。
この規格図は技術開発に合わせて絶えず改訂され、1896年に標準図に名前が変更されました。
この標準図は優れたものだったので、他の邦有鉄道でも採用された他、ドイツ国営鉄道協会によってほとんどの協会タイプの貨車を開発するためのテンプレートとして使用されました。
こちらもその標準図Ce 146で作られたようです。
本形式は、プロイセン王国邦有鉄道 Ommk(u)、DRG Om Ludwigshafen、DB Om 04となりました。
本形式はDRG Gattungsbezirke (型式都市名) Ludwigshafenですが、実はこの形式には形状の全く異なる、複数の車種が含まれます。
Web検索では、形状の全く異なる、標準図 II d2 III 同じ積載荷重20t のOmmk[u] (中央に扉のついた一般的な形状の無蓋車)がヒットすることが多いですね。
なお、II d2 III もDB Om 04になっているのが、実にややこしいです。
以上、Wikipedia 独語版 Normalie より参照、引用いたしました。
こちらは今から100年以上前の貨車です。
日本型には1945年以前の車両は殆どないと思いますが、ドイツ型にはこのような古い車両が充実しているのが魅力ですね。
もっともそのドイツ型でも、1870年以前の車両となりますと、模型は殆どないと思いますけど。
上部の扉は観音開きですが、その下部の扉が上向きに開き、コークスを下ろすみたいです。
中央部のクレストがプロイセン王国邦有鉄道を現します。
その下の"Kattowitz"は現在ポーランドになっているシュレージェンの都市名です。
上記の通り、DRGでは貨車の型式名称が都市名でしたが、こちらの名称についてはよくわかりません。
それで模型の方ですが、残念ながら Modellbau-Wikiには記載がありませんでした。
恐らくですが、今は消滅してしまった Sachsenmodelleのこちらの製品が唯一の存在と思います。
この会社の製品には正直な話、あまりいい印象がないのですが、貨車だけは別格で、概して繊細な出来であり、FLMなどに混ぜても全く違和感がありません。
なお、このSachsenmodelleの製品はTilligに引き継がれています。
ところで前にも書きましたが、私がこの道に入った30年前は、今と違って、欧州型真冬の時代であり、本当に品物がありませんでした。
そんな中、高かったですが、古典車両だけは割と入手できました。
仕方なくFLMのプロイセンの車両などいくつか入手しましたが、当時の私には価値がわからず、その後、手放してしまいました。
ようやく価値がわかるようになった今になってみると、もったいなかったですね。
2002/6/30 入線
2019/1/31 記
2021/4/28 写真全面更新、文章書き換えの上、再録
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