東ドイツ国鉄 DR 貨物用電気機関車 BR E 77 14号機 (BRAWA 0252)

 今回は、東ドイツ国鉄 DR の貨物用電気機関車 BR E 77を紹介します。

 BR E 77は、ドイツ国鉄 DRG が最初に計画した電気機関車の一つで、当初軽量の多目的機関車として計画されました。

<BR E 77 主要諸元>

 バッファ間距離:16.25m、運転重量:113.0t、軸配置:(1B)(B1)、後に(1'B)(B1 ')、軸重:**、連続出力:1,600kW、ロッド式駆動、最高速度:65km/h、動輪径:1,400mm

 1924-26年にBMAG、Krauss、LHW(電装品はBMS)により56両が製造されました。

 1923年、ドイツ国鉄 DRGは、車両の増備計画を立てました。

 このときに、前回紹介した山岳専用貨物機BR E 91、急行旅客用BR E 52などと一緒にBR E 77も計画されました。

 E 77は下記の条件での運用を目標に作られました。

 3パーミル勾配で1,800tの貨物列車を30km/h、500tの旅客列車を60km/h

 10パーミルで、850tの貨物列車を25km/h、500tの旅客列車を60km/h

 実際には高速性能が悪かったことから、貨物列車に充当されたようです。

 上記のように、バイエルン EG 3 21 001-031(後のE 77 01-31)、プロイセン EG 701-725(E 77 51-75)の56両が作られましたが、性能が良くなかったため、残りの6両はキャンセルされました。

 E 77はE 91と似た、大型モーター2基をそれぞれのシャーシーに設置し、3分割車体を乗せる構造でしたが、初めから低速域での使用に特化したE 91と異なり、速度55km/hを超えると性能が極端に低下しました。

 原因は重心の高い大型モーター、軸の構造や分割車体とその結合部だったので、それ以上の生産は行われず、単車体のBR E 75が開発されることになりました。

 本機はバイエルンと中部ドイツに配備されましたが、バイエルンの車は、第二次世界大戦中にBR E 75と交換する形で、中部ドイツに配備変更となっています。

 戦前の時点で3両廃車、戦後、DB領域に残存した1両とDR領域の3両が戦災廃車、ひどく損傷した8両を含む残りの50両は、戦時賠償としてソ連に引き渡されました。

 ソ連に強奪された50両のうち、38両が返還されましたが、1955年以降、DRはうち10両を修理し、戦列に加えました。

 しかし、新型機が整備されたため、1966年に全廃されています。

 引退した機関車は1960年代に解体されましたが、暖房用の変電所として使われていたE 77 10は残り、その後、博物館機関車として保存されることになりました。

 さらに形状も原型に復され、動態復帰しています。

 他の動態機が事故等で静態に戻る中、本帰は2020年時点でも動態を維持しております。

 同時代の黎明期の電気機関車BR E 91、E 75などが静態になってしまった今、大変貴重な存在と思います。

 以上、Wikipedia 独語版 DR-Baureihe E 77 より、引用、参考にさせていただきました。

 さて、模型の方ですが、Modellbau-Wiki によりますと、本機の模型はこちらで紹介するBRAWAだけのようです。

 

 本機はDBに継承されませんでしたし、他形式と部品の強化ができず、構造も複雑だったので、模型化されなかったのでしょうね。

 BRAWAは、東独形式を含め、それまであまり模型化されていない形式を、矢継ぎ早に製品化しておりましたが、こちらもその一両ですね。

 こちらの製品は初回発売が2000年とのことですので、もう20年も前になるのですね。

 なお、BRAWAは、当初バイエルンへ配属されたE 77 01-31を模型化しています。

 出来の方は、同社らしい繊細なものです。

 ボディはダイカストで、動輪もダイカストなので、質感がいいですね。

 パンタグラフは小さなバネを多用しており、実物の複雑な構造を再現しています。

 ただし壊れやすいです。 

<各部のディテール>

 ダイカストボディは、経年劣化が心配ですが、質感には優れますね。

 車輪やはずみ車?もダイカストです。

 パンタもとても繊細です。

 可動式の幌や屋上配線もいい感じです。

 レタもきれいですね。

 一見、Ep.IIのようですが、Ep.IIIです。

 E 91と非常によく似ていますね。

 あまり走らせたことはないですが、スムーズでした。

 ただし、BRAWAなので、車軸ギアが破断するかもしれません。

 運転室の手摺は前後で長さが異なります。

 E 77 14は、バイエルンに配属された車なので、前面には小型の貫通扉がありました。

 しかし、1950年代のDRによる修理の際、E 77 51-75と同じ、プロイセンスタイルに変更されたようですね。

 このあたりはきちんと再現されています。 

 なお、保存機E 77 10は貫通路付きのバイエルンスタイルに復旧されています。

 欲しかった形式ですが、BRAWAは高いので、なかなか機会がありませんでした。

 こちらは2012年にヤフオクで入手したものです。

 ラッキーでした。 

 実車は成功作とは言えませんでしたが、模型の世界では貨物列車を牽かせて活躍させたいものです。

 

2012/3/7 入線

2021/2/28 記

2023/7/23 写真追加・一部更新

 

 

 

↓当方HPです。こちらもどうかよろしくお願いします。

db103rheingold.web.fc2.com

 

↓当方も参加しております。実物、模型などいろいろな鉄道ブログがあります。

是非ご覧になってください。

人気の投稿