鉄道貨車の道路輸送 DB Straßenroller


 今回は主としてドイツで行われていた、貨車の道路輸送について記したいと思います。

 鉄道は貨物輸送の王者でしたが、1920年代から自動車が本格的に登場し、その地位を脅かすようになってきました。

 ドイツでは貨物輸送における鉄道と自動車の融合を図るため、すでに1930年代から鉄道コンテナを開発し、実際に運用しておりましたが、こちらで紹介する Straßenroller もその解決策のひとつとして、1933年から運用されました。

 要は、貨車をトレーラーに積んで道路上を運んでしまおうという発想です。

 このシステムはDRGの技術責任者 Johann Culemeyer により開発されました。

 したがって、"Culemeyer" システムと呼ばれることも多いです。

 上記の通り、このシステムは1933年から運用を開始し、なんと2001年まで運用されました。


<運用法>

①機関車に押され貨車が来ます。


②貨車を切り離します。


③トラクターのウインチを接続し、巻き取ることにより、トレーラーに積載します。


④積載完了。陸上を航走します。


 なお、上記のモデルはPrimex 4584ですが、中身はWikingです。

 Straßenrollerは恐らくですが、単車体式12輪のR 42と思います。

 ランプが油圧で可動するようです。


 Straßenrollerの一連の操作は、なんとYOUTUBEに動画がありました。


 これは大変貴重な映像と思います。

 牽引車の運転手は神業ですね!

 上の写真の逆、運搬車からの卸下は、トラックが押しているようです。 


 その他にもこんな動画がありました。


 静止画ですが。



 上の動画にも出てくるStraßenroller LR 40.7S(SEAG社製)。Kibriのキットです。

 1963-64年製、全長:8.72-8.87m。積載荷重:40t

 後方の赤いのが、可搬式ローディングランプです。

 これができるまでは卸下用のランプを構内に設置する必要がありました。



 BR V 60を搭載してみました。

 実際にBR 38.10-40(プロイセン P 8)を運んでいる写真があります。



 安全上、最高速度 25km/h で運用されたそうですね。



 Limaの Straßenroller 。

 こちらは実在しないモデルかもしれません。



 牽引車

 左の2台はWikingの製品です。いずれも一般のトラクターに荷台部品を取り付けたものですので、実在するかわかりません。

 右端はKaelble KV 633 ZBです。

 こちらはこの目的のために作られた牽引車です。

 Kibriのモデルは輸送中の警戒旗など、大変良く出来ていますが、こちらの記事によりますと、KV 632とKV 633がごちゃまぜになっているようですね。


 なお、Straßenroller ですが、フランスにも同様なサービスがあったようです。

 最後に、Rollbockもそうですが、ドイツ人が貨車をなんとか幅広く運用しようとしたのは、よくわかります。

 特に液物のような積替えが大変で危険な貨物の場合、道路網が未発達で、大型トラックが実用化されていなかった時代、この方式はそれなりに有効だったでしょう。

 でも、このコンセプトには根本的に無理があり、道路網が整備され、トラックの性能が向上し、更にISOコンテナが一般化すると消える運命にありました。

 どうもドイツ人は根本が間違っているのに、なかなか見切りをつけずに、現状を徹底的に改善しようとする傾向がありそうですね。

 双子形エンジンDB 606→DB 610もそうでしたが。

 反対に日本は鉄道貨物や郵便荷物車など、ろくに改善しないで簡単に見限ってしまうようにも思いますけど。


 以上、Wikipedia 独語版 Straßenroller より、引用、参照しました。

 こちらに書けなかった貴重な情報が満載です。

 ぜひご覧いただければと思います。


2021/1/2 記


 

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