西ドイツ国鉄 DB 性能試験車 Leistungsmesswagen Dienst üm 312 (Märklin 49961)

 今回は、西ドイツ国鉄 DB の性能試験車 Leistungsmesswagen üm 312について、紹介いたします。

 Dienst üm 312は、ドイツ国鉄がABBに製造させた性能試験車です。

<üm 312主要諸元>

 バッファ間距離:26.4m、運転重量:62.8t、最高速度:300km/h対応

 1974年に1両が製造されました。

 車番:63 80 99-92 005-7、後に61 80 99-92 005-9

 試験内容としては、時速200km以上で鉄道車両の走行行動として

 ・列車のすれ違いや通過時における空気力学的挙動

 ・騒音発生

 ・ブレーキ効果

 ・牽引力測定

 ・上部構造の検査

 ・パフォーマンス測定

 ・200km/h、またはそれ以上でのパンタグラフと架線の挙動

があるそうです。

 日本で言えば、üm 312は、碓氷峠文化むらに保存されているオヤ17といったところでしょうか。

 本社はUICやRICの基準に沿って作られました。

 構造は一般の客車に準じているようです。

 両方の前面に運転台があるため、ヘッドライトは両側とも装備されています。

 妻面の集音マイク?が面白いですね。

 反対側です。

 前面の形状は、Eilzug(準急列車※)用客車Verwendungsgruppe 52の制御車によく似ていますね。

 両側の運転室には、制御装置と運転手に接続するためのインターホンが装備されています。 

 室内は、下記で構成されます。

 ・運転室1(メイン運転室) 

 ・ディーゼルルーム

 ・材料と工具の保管、架線と電力測定車両の場合、高電圧セル、ワークショップ 

 ・測定室

 ・評価室

 ・洗濯設備付きのリビングと寝室

 ・電気コンロ、シンク、冷蔵庫付きのキッチン

 ・洗濯設備付きトイレ

 ・衣装箪笥

 ・運転室2 

 ワークショップルームには、高電圧と低電圧、および空調用の制御キャビネットが収容されています。

 ワークベンチが機器を完成させます。

 測定室には、設置されている標準的な電気機器と配線可能な測定機器用のスチールキャビネットが組み込まれています。 

 客室にはエアコンが完備されています。

 このタイプのすべての車両には、デジタル速度、距離及び時間測定装置、アナログ登録、引張圧力測定装置と車軸軸受温度の測定および信号システムからなる基本的な測定装置が装備されています。 

 複数のインターホン技術を備えた会議システムにより、測定トロリー内の通信が可能になります。

 評価室には、コーナーベンチ、テーブル、アームチェアが備わっています。

 1974年1月に完成後、各種試験に使用されました。

 完成当初はMärklin の模型のような黄色でしたが、途中で窓まわり除き、白っぽいグレーに塗り替えられています。

 2018年に撮影された写真がありますので、まだ使われているのかもしれません。

 以上、Eisenbahndienstfahrzeuge の Leistungsmesswagen Dienst üm 312 より、引用、参照させていただきました。

 ありがとうございました。

 なお、ドイツ語は全くと言ってよいほどわからないので、上記記事には翻訳間違いがあると思います。

 どうかお許しの程を。

 それで模型の方ですが、こちらのMärklin が唯一の存在です。

 2004年の発売のようですね。

 黄色い車体がかっこいいですね。

 通常、この手の特殊車両は、既存製品の塗替えが多いのですが、この製品に関して言えば、完全な新金型です。

 すごいですよね。

 レタリングもきれいです。

 ほんと大変良く出来ていますね。

 私的には1/100が実に惜しい!

 上記HPの写真等によると、300km/hの走行が可能な本車のMD台車は、ヨーダンパーを装備していますね。

 Märklin のMD台車には確かヨーダンパーが再現されたものはなかったはずですので、この点は残念ですね。

 屋上も相当細かく作られていますね。

 配線などすごい再現力です。

 碍子類や各部の集音マイク?も良く出来ています。

 上記HPでは騒音を測定できるようですので。

 反対側のパンタです。

 こちら側はシューが絶縁されているようですが、これには意味があります。

 さて、この車は単なる計測車の模型ではありません。

www.youtube.com

 デジタル動作で、前照灯(両側)が点灯/消灯し、また、前後のパンタが可動します。

 パンタはただ動くだけではありません。上の写真のシューが絶縁されている側のパンタを使用して、模型の架線の状態を調べる架線試験車なのです。

 実際には架線の状態によって、室内の緑/黄色/赤のライトが点灯するようです。

 でも、残念ながらうちには架線がないので、本来の目的を達成できませんね。

 こちらは偶然、中古で入手しました。

 当然、メルクリンデジタルなのですが、なぜか、前のオーナーが集電機構を2線式に改造してありました。

 二線式で使おうと思ったのでしょうか?

 しかし、この製品を動かすにはメルクリンのデジタル機器が必要であり、DCCでは当然、動作しません。

 でも、2線式でメルクリンのデコーダーを搭載している車両は全世界でも、ほぼないと思って間違いはないしょう。

 ましてやうちではHO2線のアナログは、KATOのKC-1なので、デコーダーには絶対に使えません。(パルス電流で壊れてしまいます。)

 そこで、三線式に戻すことにしました。

 まず分解ですが、本車の場合、まず両妻面のゴム幌部品を外してから、車体を外します。

 こうしないと分解出来ませんので、ご注意下さい。

 Märklinファンの方にとっては、おなじみの方法なのでしょうが、他社製品ではあまり見ないですね。

 上で外した幌が手前にあります。

 パンタ上昇ギミックがあるのですが、ロッドが直接つながっていないので、上下の車体は簡単に外れました。

 中身はこんな感じで、左の茶色の線が台車からの集電線です。

 上写真の黒い線を集電シューに付け替えればいいのです。

 しかし問題はシューでした。

 私は27cm客車用のシューを持っておりません。

 通販を探しましたが、思いの外ありませんし、送料も高いのです。

 困っていたところ、偶然、何故か集電シューが取り付けられている「二線仕様」のMärklinのDonnerbüchsenの荷物車の中古を入手できました。

 このシューを転用することで、üm 312を晴れて三線化出来、運用に入れることが出来るようになりました。

 長年の夢が叶いました。


<追記>

 世界的なメルクリニスト Akiraさんも üm 312 についての記事を書かれています。

 実は私が初めて動いている üm 312 を見たのは、Akiraさんが参加されたある運転イベントだったりします。

 その時から興味を持っておりました。こういう車両大好きですしね。

 その他にも、üm 312について、有用な情報が多数ありますので、ぜひ参照してみて下さい。

 なお、Akiraさんのところから行けるüm 312の実車写真の元記事はこちら

 DBファンの方にとって、興味深い写真が多数、掲載されております。

 こちらもお薦めです。  

 

2019/11/11 記
2020/12/16 写真追加、追記の上、再録  
2021/3/21 写真追加、文章前面書き換えの上、再録

  

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