ドイツ国鉄 DRG 電動貨車 BR ET 194 11号機 (TRIX 22478)

 今回は、ドイツ国鉄 DRG の電動貨車 BR ET 194 11号機を紹介します。

 BR ET 194 11はもともとドイツ南部の私鉄LAGが製作した電動貨車です。

<BR ET 194 11 主要諸元>

 型式:GwL elT、バッファ間距離:7.93m、運転重量:14.2t、軸配置:Bo’、軸重:最大9.5t、連続出力:82kW、最高速度:40km/h

 本車は1930年に荷物車からの改造で1台のみ製作されました。

 車番はLAG No. 895です。

 LAGの国有化後、DRGに引き継がれET194 11となりましたが、1947年に廃車となりました。

 BR E 69の回で紹介しましたが、LAGは1900年以前からいくつかの支線で電気運転を行っていました。

 本機はTürkheim–Bad Wörishofen 支線で使用されましたが、1939年同線が非電化となり、1943年にBadAibling–Feilnbach 線に移りました。

 しかしそこではあまり使われなかったようで、1947年に廃車となりました。

 車体は木造です。

 残念ながら荷台入口の幅が1,340mmであることだけで、積載量等はわかりませんでした。

 以上、Wikipedia 独語版 LAG Nr. 895 より、引用、参照いたしました。

 なおドイツの電動貨車は少なからず存在し、有名なのはVW工場の部品を運んでいたトラムですが、1904年にLAGに買収されたBadAibling–Feilnbach間のSEL鉄道は1897年の開業当時から2台の電動貨車を使用しておりましたが、1922年、LAGはこれらの代替用に電動貨車No. 891を貨車からの改造で製作しており、DRG化後ET 194 21となり、1956年まで使われました。

 たった1両しか作られなかった特殊な車両ですが、Modellbauwiki によりますと、模型の方はHOではRaimo、TRIX (Märklin)から発売されています。

 古いのはRaimoのキットのようですが、私は見たことがありません。

 それ以降はこちらで紹介するTRIX製品が唯一になります。

 最初に出たのはLAG仕様ですが、この製品はいろいろなバージョンが発売されました。

 最近ではMärklinからサウンド仕様が出ております。

 上記の発売時期を調べようと思ったのですが、Modellbau-Wikiには、MärklinのLAG仕様の発売時期が2000年頃とあるだけで、TRIXの記載はありませんでした。

 やはりそれだけ特殊な車ということなのでしょうね。

 実車とは異なり、ボディもシャーシーもダイカスト製です。

 小さな車両ですが、大変良く出来ておりますね。

 レタリングもきれいです。

 こちらの標記では、荷重5,000kgとありますね。

 台枠にも記されたレタリングは、欧州型製品ではよくありますが、すごいと思います。

 1940年12月4日と記載されていますが、この頃には非電化となっていたのですね。

 LAGの国有化は1938年ですから、この姿での活躍は殆どなかったことになりますね。

 ステップもシャープです。

 柳葉スポークも美しいですね。

 このような小型車には黒染め車輪が必須に感じます。

 実車は2軸の荷物車からの改造のようですが、電動化にあたり、台枠強度は問題なかったのでしょうか?

 妻面のランプ掛け? or 汽笛?は、折れやすいので注意して下さい。

 分解したことがありますが、モーターは昔のTOMIXと同じでした。

 ただし、集電が良好で、ギア比を取ってあるので、実感的な走りをします。

 分解はE 69同様、バーを動かして爪を解除する特殊な方法ですので、必ず説明書を見て行うことをお勧めします。

 特殊な車両ですが、1台でのんびり走るのもなかなかいいものです。

 皆様もいかがですか?


2004/6/19 入線


2020/12/12 記


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