DB Inter City Ep. IVb

 過去記事(2019/8/31)の再録です。


 今日は撮りだめした古い写真から。

 DBのInter City Ep. IVbです。



 DBの80年代を代表する編成ですね。

 私がこの道に入ったのもこれがやりたかったからです。

 でも、ここまで来るには30年以上、かかりました。

 今まで何度か書きましたが、ともかく車両が揃いませんでした。


 DB 103 223-4 ROCO 63738


 まず、BR 103.1が入手できませんでした。

 と言うと違和感をお持ちの方も多いと思いますが、80年代スタイルのBR 103はともかく製品化されなかったのです。

 TEE塗装のBR 103.1は登場当時のひし形パンタか、70年代後半のごく短い時代のSBS69装備車両ばかりです。具体的には台車にヨーダンパーがありません。

 これが装備されたのはFleischmann4375の後の方のロットが最初でしたが、以前は入手が難しかったですし、私はあの製品が好きではないので。

 ROCOからヨーダンパー装備のEp. 4仕様のBR 103.1が発売されたのは、こちらの2005年製品が初めてでした。

 ROCOの初代BR 103.1が確か1981年でしたから、この仕様が出るまで26年かかりました。

 付言すると、ROCOの63748はBR 103.1では少数派に属す、運転室の長いタイプ(長胴型)です。

 更に付け加えますと、DB Ep. 4b仕様(フロントスカート撤去、赤裾)は、Fleischmannの4376以外には2011年の62693(103 117-8)までありませんでした。

 この仕様が大好きな私は、2002年のDBAG仕様63742(103 132-7)のDB Kekを貼り替えていました。63742はバッファーカバーが外されたみすぼらしいスタイルなのですが。

 なお、BR 103.1のヨーダンパー付き製品は、メルクリンやLimaからは発売されておりません。Pikoは持っていないのでわかりません。

 欧州型は概してディテールが豊富なのですが、ことヨーダンパーに関しては、各社とも極めて冷淡と言わざるを得ません。


 DB Avmz 111 ROCO 64511

 車番 61 80 19-90 048-5。

 DBを代表する名列車Rheingold用の区分式1等車です。

 Rheingold以外にもTEEやIC、ECなどで多用された、まさしくドイツを代表する―等車です。

 しかし……、この車両も極めて入手の難しいものでした。

 と言いますのも、ご存知の通り、ドイツでは各社とも360Rの通過が必須条件となっています。

 従って、車両の長さには必然的に制約を受け、かつては24cm(1/110)、26.4cm(1/100)だったのです。(現在は28.2cm(1/93)が採用されています。これ以上は無理なのでしょうね。)

 いわゆるショートスケールであり、当たり前の話ですが、スケールモデルではありません。

 特に横から見た際のイメージが実車とはかけ離れています。

 一方で欧州型はハイディテールへの道を突き進みました。

 当然のことながら、ここに不満を持つ層もあり、それが結実したのが1980年代に活動していたADEです。

 ADE社は欧州では珍しいキット形態でしたが、その精度たるや2019年の現代製品をも上回るという驚異的なものです。

 そして長さも全て1/87、すなわち26.4m車は303mm、27.5m車は317mmです。

 ADE社は、ドイツの主要客車UIC-X、n-Wagen、yl-Wagen、Eurofima、特急型を次々と製品化して行きました。

 ですが、もともと小さい会社だったためか、あまりにも価格が高かったためか、1990年代には活動が休止状態となってしまいました。

 ADE以外にフルスケールを採用していたのはドイツではないLiliput、Jouef、そしてLimaです。

 このうちLimaは1980年代後半に突如としてフルスケール客車を多数予告しました。

 実際、ADEさえ模型化できなかったRheingoldドームカーADmh 101やこぶ付き食堂車WRmh 131を発売した他、n-Wagenを発売したところで倒産してしまいます。

 一方、これまたドイツではないROCOは1980年代の終わりから、それまでの1/100をやめて1/93や1/87に切り替えます。

 そして現在まで続く、EurofimaやUIC-X、寝台車などを発売しました。

 ただし、ROCOも経営が安定せず、また欧州型の常で、品種は多いのですが、一品種あたりの生産量が少ないため、揃えるのは至難の業でした。

 そして本命中の本命、フルスケールのDB ’63 Rheingold客車が発売されたのは、2006年のことになります。

 そのバリエーションモデルである、200km/h仕様(ヨーダンパー付、切妻屋根)もROCOが不安定な時期ゆえ、なかなか発売されず、また高額で数も少なかったため入手は難しいものでした。

 私が入手したのは2015年のことになります。

 なお、64511は原型の折戸ですが、200km/h仕様のプラグドアは出ているかどうかわかりません。(ADEは製品化しています)

 

 DB Apmz 121 ROCO 64510

 1等開放式客車。

 こちらも上と同様な理由で、極めて入手が難しいものでした。

 ICには欠かせない車両なのですが。

 DB ARmz 211 ROCO 45786

 欲しくて仕方なかったEp. 4bのパンタ付き食堂車。

 こちらは1等合造車ですが、食堂が暇なときにはパンタ側の一部を1等席にするそうです。

 パンタ付きの食堂車としては、WRmz 135が有名ですが、こちらの方がやや生産量が多いようですね。(34両/51両)

 ROCOはARmz 211を1992年に発売しております(原型、黒裾、160㎞/h仕様)が、こちらが出るまで16年かかりました。

 200km/hのEp. 5仕様(白/ピンク/紫)は1994年に発売になっているんですが。


 DB WRmh 132 Lima 309176

 赤裾のEp. 4b仕様。

 WRmh 132は車種によってヨーダンパーなしに見えるのですが、いかがでしょうか?

 詳しい方、よろしくお願いします。

 90年代初頭に一度潰れたLimaは90年代半ばに復活します。

 その際、80年代末に発売したRheingold客車をクリアボディ化し、さらに、それまでADEしか模型化していなかった全室食堂車 WRmh 132、1等/半室バー車 ADmh 106を模型化したのです。

 しかしその直後にLimaはまた倒産してしまいました。

 よってこれらの車種は、ほぼ入手が不可能なADE以外、最近、ROCOが出すまでは完全に空白形式であり、貴重な上にも貴重な存在だったのです。


 DB Bpmz 291.3 ROCO 45250

 Eurofimaの開放式2等車。

 ROCOのDB Ep. 4b IC客車の中では比較的入手しやすい形式と思いますが、こちらの銀屋根製品は難しいかも。

 品番からもわかるように2000年以降の製品です。

 DB Bpmz 291.3 ROCO 44651

 こちらの方が入手しやすいかも。同一品番で長く作られたので、時期により仕様が異なります。具体的には青やクリームの色調、別付け部品の色ですね。


 DB Bpmz 291.3 "Kindeland" A.C.M.E. 52312

 子供室付きのBpmz 291.3。形式名が間違っているかもしれません。

 ステップがメッシュ、子供室が再現されているなど、ADEを彷彿させるような驚異的な出来です。


 DB Bpmz 291.3 ROCO 44651

 上に比べるとこちらの方が古い時代の製品ですね。


 DB Bpmz 291.3 ROCO 45250

 

 今回は上記で編成してみました。

 ICは1等区分×1~2、1等開放、食堂、2等、5~9両で編成できますので、いいですね。


 日本で言えば、L特急的なIC。

 もっともっと入手が簡単になって、気軽に遊べるようになるといいですね。

 正直、Nだって欲しいくらいです。

 でも、NはHO以上に入手が難しいはずですし、ヨーダンパー付きは存在しないのでは?

 KATO(Hobby Train)がやっても高いでしょうね。


 やっぱりいいなぁ。

 ドイツ型HOを始めて30年近くかかりましたが、ようやく希望が叶いました。


 2019/8/21 記
 2020/12/20 再録

 

 

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