フランス国鉄 SNCF 重貨物用蒸気機関車 150X.5 (TRIX 22318)
今日はフランス国鉄 SNCFの150X型蒸気機関車を紹介します。
フランス国鉄の150X型は、三気筒の重貨物用蒸気機関車です。
<150X 主要諸元>
型式:1'E h3、バッファ間距離:22.62m、運転重量:110.2t、軸重:最大19.3t、過熱式三気筒、出力:1,405kW、ボイラー圧:16bar、最高速度:80km/h、動輪径:1,400mm
あまりフランスらしからぬ、ごついスタイルのこの機関車ですが、それもそのはず、元々はドイツ国鉄(DRG)の制式重貨物用機関車BR 44型なのです。
BR 44は、1920馬力の三気筒強力機として、1926年から1949年まで、合計1,989輌もが製造されました。
中勾配で1,200t、急勾配で600tの列車を引く事が出来ます。
敗戦後、DBへ1242輌、DRへ335輌、PKPへ67輌(Ty4)、CSDへ3輌、ÖBBへ11輌が引き継がれました。
フランス国鉄 SNCFには、占領下のフランスで製造された226両とドイツから来た13両の計239両が所属しました。
しかしながら電化の伸長により、このような大型強力機は活躍の場を失い、1955年にはトルコ国鉄(TCDD)に48両が売却されました。(56型)
この写真を見るとドイツ機には見えないですね。
デフはありません。ドイツのBR 44にもデフなしが居たようですが(戦時型??)、イメージ違いますよね。
バッファの銀色も違いを引き出しています。
そして、フランスで最後の一台が引退したのは1965年でした。
なお本家ドイツでは、重油炊きBR 043がドイツ蒸機の終焉である1977年まで活躍しました。
以上、Wikipedia 仏語版 150 X より引用、参照いたしました。
さて、こちらの製品ですが、TRIXの独自製品ではなく、メルクリンのBR 44 (33880/37880) の派生製品で、Modellbau-Wikiによると、2004年に発売になったそうです。
メルクリンはBR 44をなんと1950年から発売しておりましたが、さすがに時代の波には勝てず、1997年に完全新規製品として、33880/37880を世に送り出しました。
初代製品に比べますと、ディテールが格段に向上しておりますが、走行装置の方は伝統的な機関車駆動であり、定評あるDCMモーターで動輪5軸をギア駆動し、ノイズは高いながら、力強く走ります。
私も好きな製品です。
もともとはドイツ機ですが、車体が緑、車輪が黒になると、全く別の機種に見えますね。
2000年代製品だけあって、塗装もとてもきれいです。
赤線にも乱れはないようですし、レタリングもきれいです。
フランス形は機関車と炭水車に別なナンバーがつくのですね。
ドイツ型を見慣れているとなにか新鮮です。
上からの図。
確かにBR 44そのものなのですが、何か全く別の機関車に見えます。
2' 2' T 34テンダーですが、ナンバーや赤線が入るとちょっと見、別物ですね。
ドイツ形そのものの足回り。
1997年製品ですが、黒染めのロッドや動輪など、足回りはなかなかいい感じですね。
真ん中に突き出しているのが第三シリンダーの尻棒カバーです。
こちらはギア駆動ですが、動輪が黒なのでギアはそれほど目立たないですね。
ハンドレールの位置がずれているように見えますが、Web情報ではこれで正しいようです。
ドイツ型に比べると文字の印刷は少ないです。
ナンバーや重量はきれいに印刷されていますね。
非公式側。
デフがないと感じがぜんぜん違います。
残念ながら尻棒が欠品ですが、他から転用するか、自作してやろうと思います。
非公式側はあっさりとしていますね。
ランボード下の配線などは細かいです。
キャブ下のディテールも豊富です。
Einheitsキャブ。
戦時型のためか、キャブ前窓は省略されています。
DCMモーター装備なので、バックプレートは下がっています。
テンダー台車はプラですが、質感がありますね。
ところでこちらは、某オクにて偶然ゲットしました。
説明にはDCCとあったのですが、ようつべで動画を見たら、デジタルサウンドなんですね。
ただし、アナログ環境でのみ動作を確認したとのことでしたので、最悪アナログでもいいかなって金額を入れたんですが、なんと落札できました。いつも負けてしまうですけど。
すぐに届きましたので、CS2で読んだらすぐに読み出せて、恐る恐るファンクションを押してみたら……、サウンドファンクションは全く問題なし。走行も快調でした。
なお、サウンドは私の保有するTRIXのDB BR 44 333号機と全く同じでした。
150Xは箱がなかったので、IMONの箱に入れてやりました。
欧州型の箱は、長期保存には適していないので、箱の入れ替えが必須です。
IMONの車両保管箱は使い勝手もいいですし、1個約600円とリーズナブルな価格なのですが、何しろ数が必要ですので、入れ替え作業は遅々として進みません。
それはともかく、当方のコレクションでは異彩を放つ本機ですが、大切にしてやりたいと思います。
2015/4/1 入線
2015/6/23 記
2019/12/14 写真追加、文章修正の上、再録
2020/10/7 写真全面更新、文章修正の上、Blogger用に再構成
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