ドイツ国鉄 DRG 急行旅客用タンク式蒸気機関車BR 62 003号機 (LiliputL106203)

 今回はドイツ国鉄 DRGの制式急行旅客用タンク式蒸気機関車 BR 62について紹介します。

 BR 62は、ドイツ国鉄DRGが開発した急行旅客用のタンク式蒸気機関車です。

<BR 62主要諸元>

 型式:2' C 2' h2T、バッファ間距離:17.14m、運転重量123.6t、軸重:20.3t、動輪径1,750mm、過熱式二気筒、出力:1,236kW、ボイラー圧力:14bar、最高速度100km/h (前後進共) 

 本機はDRGの制式機 (Einheitsdampflokomotive) として、1928年から1932年までの間、全15輌がカッセルのHenschel & Sonn社で作られました。

 性能は良かったようですが、高価な機関車であり、また軸重が20.3tと大きく、使用線区が幹線に限られるためか、あるいは同様の急行機BR 78が既に多数在籍していたためか、製造数は限られたものでした。

 世界大恐慌の時期でもありましたしね。

 DBへは7輌が継承され1956年まで使われました。

 主に短距離の急行列車を牽いたようですが、平地での性能は大変良く、BR 01並だったそうです。

 DB機のうちの1台62 003は、1968年まで教習用機関車として残りましたが、1970年に廃車されました。

 一方、DR へは8両が継承され、各地で使われた後、最後の3両が1973年に廃車になりました。

 幸いなことにラストナンバーの015号機がDR により動態保存され、更にDBAGへ引き継がれました。

 ただし、1998年以降、静態保存機になっているようです。

 以上、Wikipedia 独語版 DR Baureihe 62 より引用、参照いたしました。

 さて、Modellbau-Wiki によりますと、生産数の少なかったBR 62のHOの量産品は、Liliputだけが発売したようです。

 最初の製品は1960年初回発売のものでした。

 今から半世紀以上前のこの製品は、BR 38.10-40の足回り部品を転用して作られました。

 今日の目で見ると大時代的な出来です。

 更に、この当時のLiliputはダイカストの質が悪く、シーズンクラックで崩壊してしまうトラブルがありました。

 BR 38.10-40では実見しましたが、BR 62で発生しているかどうかまではわかりませんでしたが。

 この後、製品はずっと存在しませんでした。

 こちらの完全新規製品は1996年の初回発売となります。

 ちょうどBachmann-Liliputになった頃で、同社にとって最初のオリジナル動力車だったように記憶しています。

 それで出来の方ですが、流石に40年の月日もあり、全く違うレベルの製品に仕上がっています。

  走行も静かに軽やかに走ります。

 BR 62は前から見たとき01と非常によく似ていますね。

 こちらの003号機はDRG仕様ですので、前照灯は二灯になっています。

 動輪や先従輪はダイカスト製で、見てのとおりシャープな出来です。

 変わったところではランボード下の点検灯まで点灯するらしいのですが、私は試したことがありません。

  金文字がややかすれているようにも見えますね。

 下回りの赤はきれいです。

 90年代の製品なので、弁装置の色は濃い目です。

 ボイラーはダイカスト?

 BR 62はBR 38.10-40と同様、動輪が不均等配置なのですね。

 これって動力配分とかどうなんでしょうか?

 リベットはやや粗めながら、いい感じですね。

 制式機のキャブなので、他系列によく似ています。

  バックビュー。

 後方視界は悪そうですね。

 手すりもシャープです。反面ステップは、こうして見るとややごついかも。

 やはり邦有鉄道機とは全く違うフォルムですね!
 この角度から見ても、特に前部はBR 01によく似ているように見えます。

 急行用ですので、三軸多扉車やローカル客車よりも急行用や準急用ボギー客車の方が似合いそうですね。

 実車は早い時期に引退してしまいましたが、模型の世界では戦前型だけでなく、数輌のUIC-Xを牽かせても絵になるように感じます。

2003/4/4 入線


2020/10/31 記

  

 

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