ドイツ国鉄 DRG 蒸気機関車 BR 14.0 031号機 (BRAWA 40276)

 今回は、ドイツ国鉄 DRGの旅客用蒸気機関車 BR 14.0について紹介します。

 DRG 14.0型はプロイセン王国邦有鉄道 K. P. St. E. が開発した、軸配置 2'B1' (アトランティック)、最高時速 110km/h、四気筒の飽和式 旅客用蒸気機関車 S 9です。

<BR 14.0主要諸元>

 型式:2'B1' n4v、バッファ間距離:21.86m、動輪径:1,980mm、運転重量:74.7t、飽和式四気筒、ボイラー圧力:14bar、最高速度:110km/h

 Hanomag社で、1908年から99両が製造されました。

 時代的に過熱式が登場しておりましたが、プロイセン邦有鉄道は飽和式を望んだようで、本機のボイラーは当時のプロイセン邦有鉄道でも最大の火格子面積でしたが、反面、シリンダーが非力で、より小型のS 6型とほぼ同様の性能だったようです。

 バランスの悪い設計だったようですね。

 おりしも列車の重量化、高速化の中、アトランティック機は力不足でありました。

 更には蒸気機関車が飽和式から過熱式に大変革を遂げた時期であり、S 9は早々に消え去る運命にあったようです。

 実際、第一次世界大戦の戦時賠償で、17両がベルギーへ、4輌がフランスに渡っていますが、DRGへ継承されたのは、当初製造された99輌のうちの僅か3輌であり、うち2輌は飽和式から加熱式に改良されたS 8(14 001及び14 002)であり、飽和式はこちらで紹介する031号機、ただ1輌だけでした。

 残り75輌はそれまでに廃車になっていたのでしょう。

 実際、第一次世界大戦時のドイツの機関車の損失は、莫大なものがあったようですから。

 そして、031号機は1926年には廃車になりました。

 余談ですが、この1926年には大量の邦有鉄道形式が消滅しています。何かあったのでしょうか?

 なお、S 9型には、高速試験機Altona 561と562がありますが、これは同じS 9を名乗っておりますが、全く別なものです。

 こちらの高速試験機は、とても今から100年前に造られたとは思えないスタイルをしています。

 余談ですが、かつてWest Modellから発売されており、趣味界の大先輩が持っておられたのがとてもうらやましかったです。

 上記のように本機は、ドイツ国鉄では短命でしたが、戦時賠償で渡ったベルギーでは、S 8同様、過熱式に改造され、1948年まで使用されたようです。

 引退が早かったことから、本形式は現在では残存していないようですね。

 以上、Wikipedia 独語版 Preußische S 9 より、引用、参照しました。

 さて、模型の方ですが、Modellbau-Wiki によりますと、短命な機種だったこともあり、 量産模型としては、2009年発売に発売されたBRAWAの製品が唯一の存在です。

 BRAWAらしく主要構造部はダイカストで、重量感があります。

 細部も大変よくできておりますが、実車の資料がほとんどないので、よくわかりません。

 質感の統一が取れていますね。

 弁装置など複雑な形状を模型化しています。

 先輪はダイカストですが、シャープさは他社製品のほうが勝りそうですね。

 動輪径 1,980mmの大型動輪。

 B軸機というのは珍しいです。

 この写真を見ると、たしかに火室は大きいように感じます。

 キャブはプロイセンタイプですね。

 非公式面。

 何故かこちら側だけにステップがつきます。

 配管が少なくてのっぺりとしたボイラー。

 ダイカストの質感がいいですね。

 ハンドルも細かいです。

 キャブがやや後ろに下がって見えますね。

 ここまで見てきて思ったのですが、本製品は、何か水平や直線が出ていない感じがします。中国製だからでしょうか?

 スッキリとした感じのキャブ。

 バタフライスクリーンもありません。

 キャブ下の配管もないですね。カーブ通過のためでしょうか?

 レタ類はきれいです。

 ステップも細かいですが、取り付け自体は曲がっているように見えますね。

 プロイセンテンダー。

 S 10などと同じでしょうか?台車がシャープですね。細かすぎて怖いです。

 機関車駆動です。

 こちらはDCCフルサウンド機ですが、ESUのLoksound V 3.5を搭載しているようで、そのためか音は非常に良いと思いました。

 なお、取説にはなぜかファンクションの詳細説明がありませんが、幸いなことに、こちらはESUのHPに出ております。OEMの機種のファンクションの説明があるのは、大いに助かりますね。

 サウンド以外にも、発煙装置が装備済みで、また、ライトがぼんやりと点灯するのも、当時はランプだったので感じが出ていますね。 

  

 いつも通り、中古で入手です。

 と言いますか、ドイツでは500ユーロ以上しますので、新品にはとても手が出ません。

 今回は、安く入手できたので、よかったです。

 BRAWAなので、ギア割れなどの耐久性に、大いに疑問が残るのが残念ですね。

 上記の通り、実車は極めて短命でしたが、模型の方では活躍してもらおうと思っています。

 2015/3/14 入線

 2015/4/26 記

 2019/12/5 再録

 2020/10/18 写真全面更新、文章修正の上、Blogger用に再構成


 

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