ドイツ連邦鉄道 DB 支線旅客用蒸気機関車 BR 70.0 (Fleischmann 4070)
今回はドイツ連邦鉄道 DB の支線用蒸気機関車 BR 70.0を紹介します。
DB BR 70.0は、もともとバイエルン王国 王立邦有鉄道 K. Bay. StS. B. が開発した支線用旅客蒸気機関車 PtL 2/3 Hです。
<BR 70.0 主要諸元>
型式:1B h2t、全長:9.165m、運転重量:39.5t、軸配置:1B2、軸重:14.1t、動輪径:1,250mm、過熱式二気筒、出力:310kW、ボイラー圧力:12bar、最高速度:65km/h
1909年から1915年の間、日本でも有名なKraus社により、僅かに仕様の異なる3種類が合計97両製造されました。
先輪と動輪の間が4mもあり、どこかバランスの悪い妙なスタイルに見えますが、軽量なために経済性に優れていたようで、支線用タンク機しては多い数量が作られました。
Pt 2/3は、平坦地において、375tの列車を65 km / hで、14/1000の勾配において、265tの列車を15 km / hで牽くことが出来ました。
第二次世界大戦後、DBへ89輌、ÖBBへ4両が継承されました。
本機は当初、使用された線区が電化された結果、経済性が合わないため非電化のまま残存した南部ドイツのローカル線での運用に移動し、長きに渡り活躍しました。
そして、DBでは誕生から約半世紀が過ぎた1963年引退に引退しました。
現在、1963年に引退し、Mühldorfam Innに記念碑として保存されていた083号機が、2005年に動態復帰し、保存されています。
またオーストリアに渡った4両のうちの一両 086号機 (770.086) も1997年に動態復帰しているようです。
以上、いつも通り、Wikipedia 独語版 Bayerische Pt 2/3 より、引用、参照いたしました。
それで、Modellbau-Wiki によりますと、ローカル線の特殊な機種だけに、BR 70.0のHO量産模型は、Fleischmannが発売したものだけです。
同社は、1965年に初代製品を発売しましたが、さすがに時代的に古く、大きめで、かつごつい出来です。
こちらで紹介する091号機は、2000年発売の完全新規製品です。
初代に比べるとスケールは正確です。
Fleischmannの蒸気機関車が頂点を迎えていた頃の製品なので、ご覧のように大変繊細な出来です。
非常にかっちりとしたいかにもFleischmannらしい製品と思います。
本当によく出来ていますね。
各部も繊細です。
ほんとFleischmannのフルスケール蒸気機関車には見るべきモデルが多いです。
これだけの製品が作れるのだから、古いBR 103.1とかBR 151を同社の技術を持ってフルリニューアルして欲しかったです。
他社製品に散見される、歪みとか曲がりが殆ど無いですね。
その分、無機質に感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
シリンダや弁装置も車体各部同様、非常にかっちりとしていますね。
ライト、ハンドレール、つかみ棒など各部の精度も相当高いです。
それにしても先輪と動輪の間が空いていますね。
バランスが悪いように感じますが、問題はなかったのでしょうか?
非公式側も非常にシャープに見えます。
給水ポンプはすごいディテールですね。
いつもどおりレタリングはとても美しいです。
その一方、ロッドが銀色に近いのは、昨今では少々違和感ありですね。
側窓の形状がEinheitsやプロイセン機とは異なります。
屋根上のベルがチャームポイントです。
キャブ後方のディテール、ハンドレール、窓、ライトにも注目です。
バッファの白枠はないものとあるものがありますね。
このような小型機は動力伝達や集電に問題が起きやすいのですが、本機は非常に集電がよく。またスムーズに走るのには好感が持てます。
分解したことはないですが、恐らく、Bülerモーター装備です。
アナログ機で、ライトは両側とも点灯します。ただし電球ですね。
前から欲しかった機種ですが、なかなか機会がありませんでした。ドイツの模型店でバーゲンになっていたので入手できた次第です。
日本では殆ど紹介されたことがないように感じますし、中古もまず見たことはありません。
牽かせるものは考えてしまいますが、2軸の旧バイエルン客車など似合いそうですね。
2011/2/24 入線
2020/10/19 記
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