ドイツ連邦鉄道 DB 急行旅客用蒸気機関車 BR 01.10 1087号機 (Liliput 10 100)

 今回はドイツ連邦鉄道 DB の急行用蒸機BR 01.10 Umbau 機のうち、青塗装の特別機、1087号機について紹介いたします。

 BR 01.10はドイツ連邦鉄道 DB の誇る旅客用高速蒸気機関車です。

<BR 01.10 DB Umbau 主要諸元>

 型式:2'C1' h3、バッファ間距離:24.13m、軸配置:2C1、運転重量:110.8t、炭水車込み運転重量:192.0t、軸重:20t、過熱式三気筒、出力:1,728kW、ボイラー圧力:16bar、動輪径:2,000mm、最高速度140km/h

 本形式に関しては、今まで何度かご紹介しました通り、ドイツ国鉄 DRG がD及びFD列車用に、開発した流線型三気筒蒸機を戦後、DB がボイラーを新造し、各部を改造したUmbau機です。

 この大改造は、廃車になった一両を除き、1953年から54両について施工されました。

 この改造により、給水温め機と干渉するため、円の上側が欠けている煙室扉を装備した何か妙な、みすぼらしい姿は完全に一新され、太く中心線の高いボイラーの力強いスタイルに変身を遂げました。

 生まれ変わったBR 01.10を印象づける任務が、当時の最優等列車 F-Zug の牽引でした。

 なお、F-Zugとは、Fern-Zug(遠距離急行)の略称ですが、RheingoldもFであったように、TEE発足前の当時の花形特急列車でした。

 差別化を図るために、再整備された機関車が使われたようで、専用機は黒/赤ではなく、紺/赤という派手なカラーリングでした。

 詳しいことはわかりませんが、いずれもDBにより更新されたBR 01.10、BR 03.10、BR 05がこの色に塗られていたようです。

 なお、メルクリンがBR 03の青塗装を出しましたが、あれはファンタジーモデルであり実在しないと聞いたことがあります。

 それで、こちらで紹介する1087号機は、有名なミュンヘン-ハンブルク間のF-Zug BlauerEnzian(青リンドウ)用に使われたそうです。

 Blauer Enzian についてはWikipedia 独語版 F-Zug Blauer Enzian をご覧下さい。

 それでLiliputのBR 01.10ですが、Modellbau-Wiki によりますと、発売年が19XXとなっておりましたので、正確な発売年がわかりませんでした。

 しかしながら、BR 01.10を出した直後にLiliputはHerpaに買収され、それからしばらく後に倒産したので、恐らく1990年代の前半の発売と思います。

 なおBR 01.10 DB Umbauはその後、Bachmannブランドになってからも一度も作られておりません。

 特にこの青塗装機は、発売当時からレアな存在だそうで、某有名模型店が盛んに喧伝していたのを記憶しております。

 私はもう15年以上前に、BlauerEnzian客車とのセットを某オクで入手しました。

 程度は良い方と思いますが、最初から第三シリンダがありませんでした。

 残念ですが、普通には見えませんので、諦めています。

 その他、昔のSL-1でのサウンド機なのか、キャブ床にスピーカーの装備があります。

 全体の雰囲気は似ているように思います。

 BR 01.10は整ったスタイルで、本当にかっこいいですね。

 ただし、炭水車がダイカストで、機関車がプラなのは、質感に差を生じるため、今ではあまり流行らないと思います。

 オーストリアLiliput最後の製品なので、ディテールは良いと思います。

 定かではありませんが、本機はディテールに凝りすぎてコストが上がりすぎたという話を聞いた記憶もあります。

 確かにプラ製品で第三シリンダが再現されている模型は聞いたことがありません。

 動輪が金属製なので、当時のROCO 製品43340よりも実感的です。

 もっともROCOの現行製品は、金属車輪になりました。

 標記類も美しいです。

 BR 01 1087は、ナンバーに枠がありますが、ドイツ機でナンバーに枠があるのは、DRG BR 01 1001や、DR機くらいしか思いつかないですね。

 弁装置はよくできています。

 ただし、色はこの当時の見解ですね。

 スタンションポールがシャープな金属なのはとても良いと思います。

 先輪もとてもシャープですね!

 汽笛も挽物に見えます。

 動輪は本当によい感じですね。色も実感的です。

 補強も再現されています。

 ロッド類もシャープです。色はやはりこの当時の見解で明るいです。

 従輪もとてもシャープです。ちょっと怖いくらい。

 キャブ下の配管、バルブも繊細ですね。

 制式キャブ。

 ドア付きですが、何かと不便ではなかったのでしょうか?

 前方窓の全周日除け?は独特ですね。ただでさえ悪い前方視界が、さらに悪くなるような気がします。

 ボイラー周りの配管は黒ですが、実物は何色だったのでしょうか?

 BR 01.10の炭水車にも、BR 23と同様な後退用の窓がついていますね。

 これも却って視界を狭めているように見えます。

 前も書きましたが、巨大な5軸の2’ 3 T38テンダーはかっこいいですね!

 テンダーはダイカストですが、Liliputの例に漏れず、なかなかの出来だと思います。台車のディテールなど本当に秀逸です。

 ただし、プラの機関車との質感の差はどうしてもありますね。

 Liliputの常で走行装置は良くないように思います。

 テンダーモーター/ドライブですが、機関車との連結が大変プアで、薄い金属板を引っ掛けるだけで、耐久性、安定性、そして確実性のいずれにも欠けるものです。

 ただしこれがオリジナルかどうかはわかりません。

 走り自体もそれほど良いとは思えませんし、ゴムタイヤがすぐに外れてしまうのもいつも通りです。

 少なくとも機関車駆動に比べれば、ずっと楽なはずなんですが。

 というわけで、他社から出ていない青塗装機なので、レアアイテムとは思いますし、飾るには良いと思います。

 ですが、BR 01.10の模型としては、ROCO やMärklinの方がずっと勝っているように個人的には感じます。

 あえて探すほどのことはないでしょう。

 上記のように製造コストがかかったとも聞きますし、再生産されないのは、案外そんなところに原因があるのかもしれませんね。

2003/1/13 入線

2019/2/8 記

2019/11/30 再録

2020/10/3 写真全面更新、Blogger用に再構成



 

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