ドイツ連邦鉄道 DB 急行旅客用テンダ式蒸気機関車 BR 01 104号機 (ROCO 63210)

 今回は、有名な BR 01のうち戦後 DBが性能向上のために改造を施したBR 01 Umbau について、紹介いたします。

 1950年代、ドイツ連邦鉄道は保有する BR 01の性能向上を行うために改造を施しました。

 この機種をDB Umbau といいます。

<BR 01 Umbau 主要諸元(変更点のみ)>

 運転重量:108.3t、軸重:19.8t、出力:1,714kW

 ドイツ国鉄が誇る急行用蒸気機関車 BR 01は、ドイツ全土で大活躍してきましたが、流石に製造初年が1926年という古い機種であり、後継機のBR 01.10に比べると性能が見劣りするようになってきました。

 そこでドイツ連邦鉄道 DBは、1957から61年にかけて、保有するBR 01の50輌に対し、BR 01.10並の性能とすべく、大規模な改造を行いました。

 実際にはBR 01.10と同様な燃焼室付新造ボイラーへの更新、給水温め器の設置、各部のローラーベアリング化が実施されています。  

 これにより出力が、1,648→1,712kWに向上し、BR 01.10 (1,728kW) と比肩するほどになりました。

 またこの改造により、ボイラー径が増加したため、煙突が太く短くなり、またランボード先端部の形状が階段状に変更になり、前照灯がランボードの先端部に移設されました。  

 これらの改造により、外見が大幅に変化し、足回りとキャブ以外はもはや別機に見えます。

 Umbau機の前面。太くなったボイラーで印象が全く異なりますね。  

 1950年代から60年代にかけて、西独DBは保有する機関車や車両の性能向上、改善策を積極的に行いました。

 これらのうち、大規模な改造を実施したものを、"Umbau"と言うようです。

 日本語に訳せば「更新改造」となると思うのですが、同様な対策工事を実施した東独DR機はUmbauではなく、Reko (Rekonstruction) と言うようです。

 このあたりドイツ語は実に難しく、どのように使い分けているのか全くわかりませんでした。

 詳しい方、どうかよろしくお願いします。

 炭水車の給水口蓋のハンドルが金属になったのは、実にかっこいいですね。

 DRが性能向上を施したBR 01は500番代を名乗りましたが(BR 01.05)、DB機には新しい型式番号は割り振られず、旧番号のままでした。
 よって車番から、原型機かUmbau機か見分けることは出来ません。

 またBR 01 Umbauでは、BR 01.10のような重油焚き機は作られませんでした。

 結果的にUmbau機は原型機と同様、1973年まで使用されました。

 現在、Umbau機は、01 180が動態、164と220が静態で保存されているようです。

 以上、Wikipedia独語版 DR Baureihe 01より引用、参照いたしました。

 さて模型の方ですが、Modellbau-Wiki によりますと、BR 01 Umbauの最初の製品はFleischmannの1971年の製品です。
 この製品は基本的に昔のまま、最近まで作られておりましたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか?

 何しろ半世紀前の製品ですので仕方ありませんが、出来の方はイマイチで、特に同社の古い車両の例に漏れず、かなりオーバースケールで、かつあくまで私個人の意見ですが、あまり似ていないように思います。

 伝統的な円形モーターですが、円形モーターはばらつきが大きいようで、私の保有していたものは走りがよくありませんでした。 

 このように必ずしも満足できるものではありませんでしたが、しかしながら、欧州型ではよくある話として、既存製品が存在すると後継製品がなかなか発売されず、プラ製の量産品としては、こちらで紹介するROCO 製品が2002年に発売されるまで、FLMの独占状態でした。

 それでROCO製品ですが、完全新規製品です。

 1980年発売の初代製品の改造で来るかと思いましたが、違いましたね。

 流石に初代から22年経っておりますので、グレードは全く別物であり、新造の太いボイラーなど、全体把握も良いと思いますし、なかなか実感があります。

 私にとってのポイントは、金属車輪です。

 1990年代頃までの ROCOの蒸気機関車の車輪は、未塗装のプラ輪芯でしたが、いまいちぱっとしない茶色っぽい赤で成型されていたこともあり、いかにもプラという感じがしてよくありませんでした。

 しかし本製品は、シャープなダイカスト成型となり、実感が遥かに増しました。

 金属車輪が実にいい感じです。

 また他メーカーの場合、金属車輪ですと輪芯の穴が再現されておりませんが、こちらはきちんと再現されています。

 BR 01と言えば、この2.0m動輪ですね。ROCOの動輪は、実にシャープでいい感じです。

 ところでBR 01の動輪は、かつて万世橋にあった交通博物館に展示されておりました。

 有名な喫茶店ゼロイチに展示されていたものですが、オーナーの逝去に伴い、閉店した際に、寄贈されたものではなかったかと記憶しています。

 巨大な直径とその割にスポークが細かったのは今でもよく覚えています。

 Einheitsキャブ。

 レタリングはきれいですね。

 やや後方に傾いているように見えますが、欧州型蒸気機関車には時々こういうのがありますね。

 シリンダブロックはあまりシャープではないですが、旧製品の転用ではないですね。

 弁装置の色はいいですが、ややシャープさには欠けるかも?

 ロッドは金属ですが、赤が動輪の色と違ってしまっているのは残念ですね。

 キャブの出来自体は普通ですね。

 Fleischmannのようにシャープではありません。

 Einhetsキャブ。

 BR 01 Umbauも全面の日除けカバーになっていますね。

 転落防止板は可動しません。

 この製品のもう一つのポイントは、炭水車の車体がプラになったことです。

 それまでROCO の蒸気機関車はテンダ駆動であり、重量を稼ぐために、炭水車がダイカスト製になっていましたが、ダイカストとプラでは質感が異なり、見た感じ機関車と炭水車の質感が異なるという欠点がありました。

 しかし、この製品はテンダーがプラになりましたので、質感の統一が図れました。

 2’ 2' T 34テンダー。

 中にモーターが装備されており、2000年代のROCOですので、炭水車及び機関車の両方を駆動します。持った感じは軽いですが、力不足は感じませんでした。

 8ピン装備ですが、ライトはまだLEDにはなっておりませんので、暗いです。

 気に入っている製品なので、最初一台購入してから、同じ製品が安く出たので、思わずまた買ってしまいました。

 馬鹿ですね。

 BR 01 Umbauは、UIC-X編成の急行列車から、Umbauwagenや戦前型のローカル列車、n-Wagenなど使いみちが広いので、皆様も是非いかがでしょうか?

2002/4/9 入線

2019/1/13 記

2019/11/30 再録

2020/10/10 写真全面更新、文章修正の上、Blogger用に再構成


 

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