バイエルン王国邦有鉄道 K. Bay. Sts. B. マレー式タンク蒸気機関車 BB II形 2508号機 (ROCO 63299)

 今回は、バイエルン王国邦有鉄道 K. Bay. Sts. B. のマレー式タンク蒸気機関車 BB II 型を紹介します。

 ドイツ国鉄の型式番号を有するもっとも小型の複式蒸機(標準軌)として、つとに有名な本機は、元々、バイエルン王国邦有鉄道が製造したBB II型です。

<BB II 主要諸元>

 形式:B'B n4vt、バッファ間距離:10.01m、運転重量:42.6 t、軸重:10.7 t、動輪径:1,006mm、飽和式四気筒、出力:280 kW、ボイラー圧:12 bar、最高速度:45 km/h、走り装置:マレー式

 1899年から1903年、及び1908年に2501–2531の合計31両が、マッファイ社によって製造されました。

 31両全てがDRGへ継承されました (DR 98 701–731) が、性能が不十分だったことや、複式のため保守・整備に手間を要したためでしょう、1930年代までに28輌が廃車・解体されました。

 残りの3輌はオーストリアやドイツの専用線に売却されましたが、このうちのレーゲンスブルクの砂糖工場で使用された4号機(旧DR 98 727)は、1972年まで使用され、現在はダルムシュタットの鉄道博物館で保存されております。

 1985年のDB 150周年記念には動態で登場しました。

 以上、Wikipedia 独語版 Bayerische BB II より、引用、参照致しました。

 

 ところでBB IIですが、実は日本にもなじみのある機種なのです。

 ご存知の方も多いと思いますが、日本鉄道が1903年に同系機をMa 2/2+2/2形(701)として、輸入しました。

 この機種は後に国鉄4500型となり、1924年に廃車・解体となったようです。

 この項、Wikipedia日本語版 国鉄4500形蒸気機関車 より。

 1両だけの輸入で、運用成績も悪く、ドイツと同様、ろくに使われないうちに廃車となったようですね。

 こちらはマイクロキャストミズノが、ブラスで製品化したことがあります。

  ところで、ドイツの主な複式蒸気機関車としては、下記が知られています。

標準軌:

 BR 96(K. Bay. Sts. B. 2×Gt 4/4 D-D マレー タンク、1913-23年製造、1948年廃車、25輌)

 BR 79(ザクセン XV HTV C-C デュプレックス タンク、1916-23年製造、1932年廃車、2輌)

 BR 55.60(ザクセン IV B-B マレー テンダ、1898 -1903年製造、1927年廃車、30輌)

 BR 98 .0(ザクセン ITV B-B マイヤータンク、1910-14年製造、1967年廃車、18輌)

狭軌:

 BR 99.51-60(ザクセンIVk、750mm、B-B マイヤー タンク、1892-1921製造、1993年廃車、96輌製造)

 BR 99.63(ヴュルテンベルクTssd、750mm、B-B マレータンク、1899、1901、1904年製造、1969年廃車、9輌製造) 等があります。

 上記の通り、これらの中で最も活躍したのは、狭軌の二機種であり、有名なザクセンIVkは、改造型がなんと1993年!までDR に残存しておりましたし、それに比べると知られていないヴュルテンベルクTssd もDBのナロー線で、1969年まで約70年の長きにわたり活躍しました。

 これらは多数が保存され、何と両形式とも動態機が存在しております。

 それに比べますと、標準機の複式機は本題のBB IIを初め、概して短命であり、一番長く使われたのはBR 98.0でした。

 この間に蒸気機関車の性能が飛躍的に向上し、あえて2輌分の足回りを採用する必要が無くなったのでしょうね。

 実際、1920年のDRG発足後以降に開発された複式機は、僅かに第二次世界大戦時の巨大戦時型機関車1機種のみでした。

 様々な設計があったようですが、例えばBorsig 1は、珍しい非対称の車輪配置(1'C)Dを備えた関節式機関車で、前後進 最高速度 80 km/h、8パーミルの勾配を1700トンを牽引し20 km/hで走行することが計画されていました。

 実物については不明な点が多いですが、結局完成に至りませんでした。

 Märklin社が架空の模型を発売しています。

 この項、Wikipedia 独語版 Kriegslokomotive より。

 このように実車は薄幸だった複式機ですが、見栄えがするようで、模型には比較的恵まれており、ブラス製の少量生産品まで含めますと、上記の形式は全て製品化されております。

 中でも、もっとも大型のBR 96はFulgurexやLemacoの高級製品、RivarossiとMarklin、Arnoldから発売されております。

 それでこちらで紹介させていただくBB IIについても、ブラス製品が発売されておりましたが、HOの量産模型はこちらで紹介するROCO 製品が唯一の存在です。

 Modellbau-Wiki によりますと、初回は1991年の発売であり、K. Bay. Sts. B. の緑塗装/白線あり(43231)でした。

 爾来、DRG (43282)、Bayern (43286)、フォトグラウ (43280)、レーゲンスブルク砂糖工場4号機 (43285、63229)等、今まで仕様を変えて何度か生産されております。

 それだけ人気が高いということなのでしょうね。

 今から約四半世紀前の模型ですが、欧州製品の常で大変よく出来ております。

 あくまで私の個人的な感想ですが、欧州製品って、この手の小型蒸機にすごくこだわるような気がしますね。

 従って、小型機には優れた製品が数多く見られますが、これもその一つでしょう。

 小型機なのでゴムタイヤはありませんが、元々長編成用ではないので、特に支障はありません。

 スムーズに走ります。

 ROCOのBB IIの走り装置は首を振りません。

 実物は振るのだろうと思いますが、走行第一のためにこのようになっているのでしょう。

 バルブギア周りはプラ製ですが、ご覧のように成型色は実感的ですし、出来も繊細です。

 また特筆すべきは、塗装とレタリングの美しさですね。

 一体どうやって塗るのでしょうか? タンポ印刷なのでしょうかね?

 これは日本型をはるかに引き離していると思います。

 

 BR 98.3グラスカステンと同様、ライトは点灯しません。

 現在なら、チップLEDを使用するでしょうが、この時代にはまだLEDが一般的ではなかったからだと思います。

 デジタルの世の中になったので、ライトがつくといいと思いますね。

 なお、私が保有するDRG BR 98 715号機の1台は、前のオーナーが常点灯改造してあります。

 

 ROCOはグラスカステンについてはサウンド機を出しましたが、BB IIについては、デジタル機もデジタルサウンド機も出ておりませんでした。

 このサイズでは難しいのでしょうが、現在もそうなのでしょうか?

 当方のは前オーナーがデジタル改造しておりますが、よくキャブの中に入れたと思います。

 その一方、ライト類がないので配線が単純なのはよかったのでしょうね。

 あと注意しなければならないのが分解です。

 この製品はまずキャブを外して、それからねじを2本緩めないと分解できないのですが、キャブを外すとき爪が折れたり、部品が痛んでしまいそうで怖いです。

 ここはメルクリンのように、車体の裏側からねじを外す方法が望ましいですね。

 実機は決して成功作とは言えませんでしたが、この模型は優れていると思います。

 軽客貨列車を牽かせて活躍させたいですね。

2014/12/20 入線

2015/4/29 記

2019/12/11 一部文章修正の上、再録

2020/9/5 写真全面更新、文章見直し、Blogger用に再構成


 

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