ドイツ連邦鉄道 DB 旅客用蒸気機関車 BR 23 001号機 (Märklin 39230)
今回もドイツ連邦鉄道 DBの旅客用蒸気機関車 BR 23を紹介いたします。
BR 23は西ドイツ国鉄DBが開発した旅客用蒸気機関車です。
西ドイツ国鉄DB BR 23は、東ドイツ国鉄DR BR 23.10と同様、傑作機プロイセン P 8(BR 38.10-40、欧州で最も大量に作られた旅客用蒸気機関車)の代替用として作られた軸配置1C1の旅客用蒸気機関車です。
<BR 23 主要諸元>
型式:1'C1'h2、バッファ間距離:21.325m、運転重量:82.8t、軸重:最大18.9t、動輪径:1,750mm、過熱式二気筒、出力:1,875PSi、ボイラー圧力:16bar、最高速度:前進 110km/h、後退 85km/h。
BR 23の実車については、当方の以前の記事を参照お願いします。
それで模型の方ですが、Modelbau-Wiki によると、MärklinのBR 23は、HOでは最も古く、1954年に発売されました。(DA 800)
この製品は1972年までの18年間製造されましたが、その後、Primexから何度か供給されたものの、ずっと入手が難しい状態が続きました。
そして生産中止から37年後の2009年に、完全新規製品が発売されました。
それがこちらの39230です。
この当時、HOとしてはROCO製品が定番になっておりましたが、後期型のROCO製品に対し、Märklinは初期型をモデライズしています。
2000年代製品ですので、ボディと炭水車が両方ともダイカスト製になっています。
昔の各社製品のようにボディとテンダーの材質が異なるために質感の統一が取れないということがありません。
全体の感じもよく出ていると思います。
最近のMärklin製品なので、やや艶のある黒塗装がいい感じを出していますね。
それも真っ黒ではなくやや灰色がかっているようにも見えますが、かえって質感が上がっていますね。
ROCO製品と並べたことはありませんが、形状把握には差異があるようにも感じられます。
テンダー下部の配管など、細部も良く出来ています。
そういう点で惜しいと思うのは、炭水車の台車です。
ディテール等は十分と思うのですが、ここだけは赤の成型色のままなので、他とのバランスが取れません。
せめて塗装してあるといいと思うのですが。
質感はほんと素晴らしいです。
いつも思うのですが、ダイカスト製の車輪はたいへんいい感じです。
この点はROCOの旧製品に明らかに勝っていると思います。
切換弁なども大変細かいです。
ボイラー脇の配管が金属なのはとてもいいですが、錆びるかもしれませんね。
特筆すべきは、レタリングの色です。
この様に金文字になっています。
DRG時代は真鍮の磨きだしだったようですが、DB時代は白と思うのですが。
ただし、同社のBR 85 001も金文字になっていますね。
DB戦後型蒸機らしくあっさりとしたボイラーです。
密着ブレーキの色がやや浮いてしまいますかね。
金文字なので反対側はやや色あせてしまいました。
それはともかくシャープなスポーク車輪はいいですね。
また、台車の形状はROCOとは異なります。
このあたりの形状把握はROCOとは異なるように感じます。
キャブの手すりが金属なのは直線感が出て好きですね。
ダイカスト製のテンダー。
30年以上前のROCO製品は流石に表面が荒れてしまっていますが、こちらは美しいです。
39230はmfxフルサウンドです。
サウンドは他とはちょっと違って、別な意味で実感的ですし、音量も十分です。
私のはメルクリンを卒業した方からお譲りいただいたもので、発煙装置と運転台にLEDが仕込んであります。
それである意味、この製品の最大の問題はモーターと思います。
製品番号からもわかりますように、この製品はCサインモーターを採用しています。
Cサインモーターはコンパクトな強力モーターで、デジタル時代に合わせメルクリンが大々的に導入したのですが……、すぐに廃止されてしまいました。
詳細はわからないのですが、なんでも重大な問題があるのだそうです。
私はそんなことは露知らずで、デジタルに傾倒した2013~2016年頃に相当数導入してしまいました。
今のところ不調になったものはありませんが、壊れたら修理は非常に難しいとの話も聞いています。
高額なものゆえ、これには本当に参りましたし、結果的にデジタルから遠ざかる大きな要因になりました。
BR 23については、模型として大変良く出来ているだけに、モーターの先行き不安があるのが何とも残念ですね。
2013/2/12 入線
2020/8/16 記
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