ドイツ連邦鉄道 支線用電気機関車 BR E 69 02号機 (TRIX 22551)
今回は、ドイツ連邦鉄道 DBの小型電気機関車BR E 69について紹介したいと思います。
BR E 69は、もともと20世紀のはじめ頃に作られた、私鉄LAG鉄道の2軸小型電気機関車です。
BR E69 02 主要諸元
バッファ間距離:7,350mm、重量:25.5t、軸配置:Bo、軸重:12.275t、連続出力 306kW、動輪径:1,000mm、最高速度:50km/h
LAG鉄道(Lokalbahn Aktien geselschaft 直訳すれば、地方鉄道会社)とは、ドイツやオーストリア、ハンガリーに点在した私鉄や水上交通などからなる会社だそうです。
日本で言えば、近鉄グループとかいう感じなのでしょうか。
この会社は南部ドイツを中心に各地に標準軌や狭軌の路線を保有していました。
その一つ、南ドイツバイエルン地方の山岳地帯に位置するAmmergaubahn(Murnau - Oberammergau間 23.671km)は1900年5月1日に開業しましたが、早くも1905年1月1日にはドイツ最初の単相交流5.5kV、16Hzで電化されました。
LAGは1905~1930年の長きに渡り、この路線用にそれぞれ性能やスタイルの異なるB軸小型電機 LAG 1~5号機を製造しましたが、こちらで紹介する2号機(後のBR E 69 02)は、1909年に作られ、1982年に引退するまでの長きに渡り、途中9年間、当線を離れた以外は、終始一貫してこの路線で使われました。
これらの機関車は1938年LAGが国有化された際、DRG BR E 69となりました。
同線の開通当時の電化方式は、上記の通り、AC 5.5 kV 16 Hzでしたが、その後、AC 5 kV 16 2/3Hz、AC 15 kV 16 2/3Hzに変更されており、それに伴い、搭載機器やモーターが更新されています。
01号機はAC 15 kV 改造を待たず1954年に廃車になりましたが、他の4輌は1977年~1982年までの長きに渡り、Ammergaubahnで活躍を続けました。
有名なのは晩年の運用で、小さなBR E 69が26.4mのn-WagenやMitteleinsteigwagenを1輌ないし2輌牽いておりました。
これらの客車には運転車がありましたが、BR E 69(BR 169)には、引き通し線がなかったためか、推進運転は行われず、終着駅で機関車を付け替えていたようです。
旅客運用は、BR E 69の引退後に、BR 141に代わりましたが、現在、425型の電車が入っているのはドイツも変ったなあと思います。
それでドイツでは、このAmmergaubahn線の機関車の人気は大変高く、5輌全てが現存しており、03号機、そして05号機は動態です。
こちらの02号機はニュルンベルク交通博物館のホールで展示されておりますが、可動状態にあるそうです。
また5輌全てに愛称がついているのも珍しいと思います。
ちなみに2号機は"Pauline" だそうです。
以上、Wikipedia 独語版 "LAG 1 bis 5" より、引用、参照させていただきました。
それで、Modellbau-Wiki によりますと、やはり人気が高いのか、模型の方も各スケールで、各社から発売されております。
HOでは、LAG 1~5まで全て発売されているのですね。
ただし、1と4はWestmodellの少量生産品ですが。
一方、こちらの02号機は最も人気が高いのか、一番種類が多いです。
HOでは、1965年のFleischmann、1975年のROCO、1999年のMärklinの三種類が発売されております。
Fleischmann製品はつい最近まで作られておりましたが、何しろ55年も前の製品ですから、出来の方は大味で、窓ガラス、点灯装置もなく、何よりもスケールがかなり大きいという欠点がありました。
ROCO製品の方は、スケール的には正しかったように思いますが、1984年までの生産ですので、売っているのは見たことがありません。
この電機はドイツを代表する機種ですし、何よりも可愛いので、欲しいと思っていました。
ですが、私がはじめた頃にはFLMしか入手できませんでした。
しかしながら上記のように、1980年代当時でさえやや見劣りする内容でしたし、何よりも売っていませんでしたね。
そこでMärklin/Trixから発売されたときは、とても嬉しかったです。
しかし入手は大変でした。
ドイツの模型店に在庫があるとのことで、FAXで確認して注文したのに、品切れだったこともありました。
そんなで入手したのは、2002年のことになります。
やはりドイツの模型店から個人輸入しました。
当時の事ゆえ、相当高かったです。
出来の方は写真の通りで、満足すべきものでした。
全体の感じは実によく出ておりますし、塗装やレタリングも美しいです。
特にシャープなダイカストボディが映えますね。
ディテールも大変細かく、特に本機を際立たせている各部の手すりが金属製でシャープなのは、素晴らしいと思います。
B軸機はどうしても集電が不利ですが、走りの方も大変静かで、かつスムーズです。
それまでの製品には灯火がありませんでしたが、前照灯も点灯しますし。
レタリングや足回りは、ほんといい感じです。
惚れ惚れしますね。
高級品だけあって、バッファは挽き物です。
金属製の手すりは質感、強度ともに最高ですね!!
その後、同社からはEp. 4仕様のBR 169 002-3や、03号機も出ました。
赤い03号機はFLMやROCOも出しておりますが、実はこの両機、性能はほぼ同じなのですが、形状が全く異なります。
これらは雰囲気モデルにすらなっていない、なんちゃって製品なのです。
私もこのモデルを入手してから、ジャンクのROCOのBR 169 003-1を入手しましたが、ギアが割れていたことや、何よりも正確な形状のBRAWAの003号機を入手したので手放しました。
ということで、念願かなってBR E 69 02と03を手にすることが出来ました。
2016年にFLMが完全新規のフルスケールモデルE 69 05を発売しましたが、こちらは入手できておりません。
こちらにはサウンドモデルもあって、魅力的ではありますが、その分、価格も相当高いので、多分入手できないでしょうね。
2002/2/19 入線
2020/8/13 記
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