ドイツ連邦鉄道 DB 旅客用タンク式蒸機 BR 65 018号機 (Fleischmann 4065)
今回はドイツ連邦鉄道 DB の支線用タンク式蒸気機関車 BR 65を紹介します。
DB BR 65は戦後、ドイツ連邦鉄道 DBが開発した旅客用のタンク式蒸気機関車です。
<BR 65 主要諸元>
型式:1’D2’ h2、バッファ間距離:15.475m、運転重量:107.6t、軸重:16.9t、過熱式二気筒、出力:1,089kW、ボイラー圧:14bar、最高速度:85km/h(前後進とも)、動輪径:1,500mm
戦後DBは、近郊及び都市輸送として使われていた邦有鉄道時代のタンク機BR 78とBR 93.5の代替用として、同じタンク式蒸機のBR 65を開発しました。
BR 65は、1951~56年の間、18両がS 3/6やレオパルト戦車の製造で有名なKrauss-Maffei社で製造されました。
本機は初期のトラブル後は、満足のゆく性能を発揮したようですが、炭庫と水槽容量が限られることから運用範囲が限定され、また既に電機、DLの時代となっていたことから製造数は少ないものでした。
1966年には廃車が始まり、最後の1台である018が1972年に引退しました。
結果として、交代すべきBR 78(1974年)、BR 93.5(1968年)の方が長く使われました。
現在、最終号機018がオランダの保存団体の手により動態保存されております。
以上、Wikipedia DB-Baureihe 65より引用、参照しました。
なお、DRもBR 65を製造しました(BR 65.10)が、こちらは軸配置と形状は似ておりますが、全くの別機です。
いかにも戦後製のドイツ蒸機と言った前面です。
具体的には、中心線の高い直線的なボイラー、ステップ状の前面、端梁にない前照灯などですね。
それで模型の方ですが、Modelbau-Wikiによりますと、HOではFleischmannが1965年に最初に発売しましたが、こちらで紹介するのは1984年の全面改訂版です。
FLMの初代製品は、その頃の例に漏れずオーバースケール (1/82?) でしたが、こちらは正しい縮尺のように感じます。
なお、実機が少数の生産に留まったこともあり、BR 65の模型の種類は少なく、Fleischmannの他にはLemacoのブラス製品くらいしか無いみたいですね。
モデライズされているのは、最終号機の018で、この号機は2003年まで何度も再生産されております。
私は番号は変わっていないと思っていましたが、015号機が限定で出たようです。
BR 65はDB新製蒸機の特徴……細長く直線的なボイラー、高いボイラー位置、ランボード下前照灯、段付きフロントエプロン……を有しています。
もう34年も前の製品ですが、今でも通用する良い出来と思います。
FLMの蒸機が良くなってきた頃の製品ですので、なかなかいい感じです。
動力は伝統ある円形モーターですが、力もありますし、低速走行も可能ですが、現在のレベルでは音は静かとは言えず、サウンド向きではないですね。
車重がかなりありますので、粘着力があり、牽引力は期待できそうです。
弁装置周り。
いつもながら良い感じです。
ただし、80年代の製品だけに、成型色は明るすぎますね。
Fleischmann製品は初期から金属製の車輪を採用していますが、こちらもすごくいい感じです。
ランボード下の造形もプラっぽさがなく、かつとてもシャープです。
パイプ類は折れやすいので取り扱いには十分注意して下さい。
同社のプラは接着が効きませんので。
レタリングは現在のものに比べると、やや劣りますかね。
ただし、実車もそれほどきれいでないものもありますが。
反対側。
給水ポンプでしょうか、すごい精密な造形ですね。
鐘と汽笛は金属の挽き物のように見えます。
実車は支線区の旅客機であり、Umbauwagen(三軸/四軸)や旧型客車などが中心で、どちらかと言えば短編成でしたので、力を持て余し気味かもしれません。
上記、Wikipediaによると貨物も牽いたそうです。
残念なことに、私のは少々揺れます。
018号機は2両目ですが、以前のも揺れましたので、もともとこういうものなのかもしれません。
キャブ形状。
DB戦後型は密閉キャブですね。
バックビュー。
Fleischmanの造形は本当に直線がきっちり出ているのが、他社に大きく勝っていると思います。
2018年、FLMのHO製品は製造中止との噂もあります。
もう入手できなくなってしまうのでしょうか?
数々の傑作製品を生み出してきた同社が本当にHOから撤退するとすれば、大変残念なことと思います。
2003/3/12 入線
2018/6/14 記
2019/12/15 写真追加、文章修正の上、再録
2020/7/29 Blogger用に再構成
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