ドイツ連邦鉄道 DB 汎用ディーゼル機関車 BR V 100.10 1064号機 (ROCO 43644)

 今日は西ドイツ国鉄DBの汎用ディーゼル機関車V 100.10について紹介します。

 V 100.10は DB 及び MaK (Maschinenbau Kiel)により開発された汎用ディーゼル機関車です。

 1950年代末に支線区の蒸気機関車置換え用に開発されました。

<BR V 100.10 主要諸元>

 バッファ間距離:12.1m、運転重量:62.0t、軸配置:B'B'、軸重:15.5t、出力:1,085馬力×1、最高時速:100km/h

 1958年から1963年までの間、MaK等により、364輌が製造されました。

 なお、後継機として同じ形状でエンジン出力を向上したV 100.20(BR 212)が382輌製造されています。

 V 100.10は、1968年からのコンピューターナンバー化により、BR 211となりました。

 凸型の外観がDD13に似ていますが、1個エンジンの多目的機であり、むしろドイツのDE10と言った方が正しいかもしれません。

 エンジンは1個で長い側のキャブに配置し、ローカル線の蒸気機関車牽引客車列車の置換え用ですので、暖房用のボイラーを短い側のキャブに配置しています。

 これもDE10と同じですね。

 主にローカル線の列車牽引で活躍しましたが、老朽化や使用線区の廃線により、2001年に用途廃止となりました。

 BR 212も2004年に引退しましたが、トンネル用の救援車714はまだ残存しているようです。

 また近年の貨物需要の高まりにより、DBを引退した機種が貨物会社で使われており、一部はエンジン更新を行っているようです。

 V 100の試作車は1,100馬力の001~005、007、1,350馬力の006があります。

 この両者を区別するために、量産型は1,100馬力のV 100.10 (BR 211)と、1,350馬力のV 100.20 (BR 212)となりました。

 従って、0番台の量産車は存在しません。同様な例はBR 103でもありますね。

 以上、Wikipedia DB-Baureihe V 100 より引用、参照いたしました。

 それで模型の方ですが、Modellbau-Wiki によりますと、代表的DLだけあって、V 100の模型は各社が発売しておりました。

 古いのはFLM 1965年、TRIX 1964年、Märklin 1966年です。

 TRIXを除き、これらの製品はつい最近まで製造された大変寿命の長い製品でした。

 FLMはややオーバースケールで、現在の目で見るとごつい感じですが、全体の感じは似ていました。

 Märklinは同系統の製品を持っていますが、手すりが金属板なのは同社らしいです。

 こちらも感じは良いですが、塗料が悪いのか離型剤が残ってしまっているのか、経年で屋根の塗装が剥がれてしまうものがあるようですね。

 欧州型の通例で他社が先行してしまうとなかなか次が出来ないのですが、V 100.10もその例外ではなく、量産模型では1990年のROCOの製品までありませんでした。

 こちらはいかにもROCOらしい製品で繊細な出来です。

 同社らしく、前後の手すりはスライド金型を駆使した一体成型で、別付けになっています。

この部品を見たときには正直すごいと思いました。

 V 100.10はモーターの収納に苦労すると思われますが、ROCOは85060系の大型モーターを搭載しました。

 おかげで走行は安定していると思います。

 この製品の難点は分解で、日本のNのDE10やDD51のようにキャブを外してからボディを外すのですが、キャブは裾から広げるしか無いので、実にやりにくいのです。

 傷をつけたり、破損しそうなのでやりたくないですね。

 ここはボルト一本で分解できるFLM製品のほうが遥かに優れていますね。

 こちらで紹介するのは、ROCOが最初に発売したEp.IIIb仕様です。

 同社の常で、最初に人気のない仕様が出て、それから多数のバリエーションモデルが発売されています。

 あっさり目のディテールですが、V 100.10はこれでも良いと思います。

 車体分解時にはこのキャブから外すのですが、傷をつけたり、壊れそうになるので、できればやらないほうがいいです。

 30年前の製品ですので、レタリングは、それほど美しくはありません。

 短い側のボンネット。

 この中に暖房用のボイラーが入っています。

 V 100.10は、外見からは貨物用機のように見えますが、実際には客車列車にも多用されました。

 登場当時には、戦前型やUmbauwagenなど、蒸気暖房の客車がたくさん使われていたのですね。

 エンジン側のボンネット。

 この製品のボディシェルは大変薄いため、やや変形しやすいのが欠点です。

 標記からは1962年8月3日なんてわかりますね。

 灰色の線はややはみ出してしまっていますね。

 手すりは別付けの鉄線です。

 質感はいいのですが、経年で錆びるのが大きな欠点ですね。

 1,100馬力のV 100.10 (BR 211)と、1,350馬力のV 100.20 (BR 212)との外見上の差は、V 100.20の022号機以降の長さが200mm延長されたくらいです。

 HOで約2mmの差異があるはずですが、ROCOは同一の金型でV 100.10とV 100.20を出していますね。

 V 100.10/20はその後、Märklin(2012年)、BRAWA(2016年)からも発売されました。

 Märklinは、いわゆるMärklinらしくない繊細な出来です。

 こちらは所有しているので、そのうち紹介できればと思います。

 BRAWAは見たことがないので、わかりません。

 同社製品らしく、バリエーションが豊富ですし、サウンドモデルもあるようです。

 ただし、ギア割れの問題が解決できているのか、全く不明です。

 情報をお持ちの方は、よろしくお願いします。

 それはともかく、アナログの世界ではまだまだ十二分に活躍できる ROCOのV 100.10、客貨両用に用途も広いので、皆様も是非いかがでしょうか?

1992/10/10 入線


2020/3/20 記
2020/6/13 Blogger用に再構成


↓当方HPです。こちらもどうかよろしくお願いします。

db103rheingold.web.fc2.com

↓当方も参加しております。実物、模型などいろいろな鉄道ブログがあります。

是非ご覧になってください。

鉄道コム

人気の投稿