ドイツ連邦鉄道 DB 旅客用電気機関車BR E 17 07号機(ROCO 43717)

 今回は主に南部ドイツで使用された旅客用電気機関車 BR E 17を紹介します。

 DB BR E17は戦前に誕生した旅客用電気機関車です。

<BR E 17主要諸元>

 バッファ間距離:15.95m、運転重量:111.7t、軸重:20.2t、軸配置:1'Do1'、最高速度:毎時120km/h、連続出力:2300kW

 車番:E 17 1-18、E 17 101-120、E 17 121-124、(元E 17 17、18、15、16)

 製造数:38

 メーカー:AEG、SSW

 1928-1929年に製造され、1980年に廃車となりました。

 1920年代半ば、DRGは旅客用電気機関車の開発を行っておりましたが、試験機E 21の結果を元に、1927年に最高時速120km/hの中形急行旅客用電機E 17を33輌発注しました。

 本機は優秀であり、すぐに5両が追加されました。

 BR E 17は、電化が進んでいた南部及び中部ドイツ、及びシュレージェン(現チェコ)で使用されましたが、1945年、敗色濃い東部戦線からバイエルンに疎開させる措置が取られたこともあり、戦後DBに26輌、DRに2両が継承されました。

 DBに継承された26輌は、1960年代以降まで使用された旧型電機の例に漏れず、1960-61年に機器類が近代化されました。

 DBのBR E 17は、26輌全部が1968年のコンピューターナンバー化によりBR 117になり、1980年まで引き続きドイツ南部で使用されました。

 最後のBR 117(117 106)は1980年4月24日に引退しました。

 現在でも2両(103、113)が保存されているようです。

 以上、Wikipedia 独語版  DR-Baureihe E 17 より、引用、参照しました。

 BR 117の写真を見ると、主にn-Wagen (Silberling) を牽いたローカル運用に入っていたようです。

 角ばっているので貨物が似合いそうですが、れっきとした旅客用機ですね。

  それで模型の方ですが、Modellbau-Wiki によりますと、どちらかと言えばマイナーな存在故、HOでは長年、1974年発売のRivarossi (1668) の独壇場でした。

 BR E 18から転用できる部品が多いはずなのですが、この時点では、E 18を出していた他社からは模型化されておりませんでした。

 当時の同社製品の常で、スケールはかなり大きく、また動輪4軸のうち、2軸を駆動します。(AC仕様)

 感じは悪くないように思いますが、何しろ古いので、窓ガラスは段になっていますし、その他も大時代的な出来です。

 更に言うならば、シャーシーがプラでどこか心もとない構造だったはずです。

 続くE 17の製品としては、こちらで紹介する1994年のROCO、そして2011年のメルクリン、TRIXが続きました。

 メルクリン/TRIXは持っていませんが、ダイカストボディでいい感じのモデルに見えました。

 初回はInsiderで、簡易サウンド機だったのが残念ですね。

 その後、フルサウンド機も追加されているようです。

  それでこちらで紹介するROCO製品ですが、同社の改訂版のBR E 18をベースにしているようで、出来の方は似ています。

 同社の標準で、ボディ、台枠がプラ、シャーシーがダイカストです。

 全体の感じは悪くないと思います。

 また1990年代の製品だけに、ディテールも豊富です。 

 ただし、リベットの表現はおとなしい感じがしますね。

 こちらはEp. 3仕様ですので、車体色は暗い緑 "Flaschengrün"です。

 なお、後に出たEp. 4仕様のBR 117 012-5号機 (ROCO 63625)は、"Chromeoxidgrün"で色調が全く異なります。

 昔の塗装のように安っぽい感じはないと思うのですが、それでも今ひとつ塗膜が薄いような気がしなくもありません。

  バッファーの根本の印刷までされています。

 あと、別付け部品と車体の色が異なりますね。

 とは言いましても軟質プラですし、触ってしまう場所なので、塗装は出来ませんね。

 手摺類は、製品によっては歪んでしまうことも多いのですが、割ときっちりとはまりました。

 最近のものですので、パンタも繊細です。

 一方、BR E 17はBR E 18同様、輪芯が赤いプラなのが、金属動輪のBR E 16と比べるとマイナスに感じます。

 大径動輪なので先輪も含め目立ちますし、ご覧のようにシャープな車輪なので、赤く塗ってやるだけでずっと良くなるように思います。

 ついでにデティールフルな台枠を黒塗装してあげると、格段に良くなりそうですね。

 動力系はBR E 18の改訂版と同じと思われ、全動輪4軸を駆動し、スムーズに走ります。

 BR E 18は改訂版も前照灯が暗いですが、こちらはそんなことはないですね。

 検査標記?には54.5.21とありますので、Ep.3aとなるわけですね。

 かなり古い時代の設定です。

 厳密には牽かせるものは難しそうですね。

 まあ、私も写真を撮るまでは、こんな標記は見えませんでしたから、Ep.3の客車やn-Wagenを牽かせます。

 ほんと四角いですね。

 手すりはプラなので太いですが、それまでの一体成型と比べると、ずっといい感じです。

 パンタも繊細です。

 上記の通り、スポークは繊細ですが、プラっぽいのが欠点です。

 各部の手すりが別付けなのもいいですが、プラ製なのでオリジナルの箱に入れると変形してしまいます。

  こちらは、ちょうど1990年代の半ば、ROCOが従来製品のリニューアルを積極的に行っていたときの一環で発売されました。

 この形式は持っておらず欲しかったので、ドイツから個人輸入しました。

 まだFAX注文の時代でした。

 いかにも日本人が思い浮かべるドイツらしい「四角い」スタイルの本機ですが、存外、人気が無いようで、中古も安めですから、機会がありましたらいかがでしょうか?

2018/11/9 記

2020/6/19 写真全更新、文章修正の上、Blogger用に再構成

2023/7/21 写真追加・更新

2025/9/24 写真配置変更

 

 

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