ドイツ連邦鉄道 DB 客貨両用タンク式蒸気機関車 BR 85 001号機(Märklin 37098-1)

 今回はドイツ連邦鉄道 DB の客貨両用5軸タンク式蒸気機関車 BR 85について紹介します。 

 BR 85は、ドイツ国鉄 DRGが、ドイツ南部のSchwarzwald (黒い森)にある、Höllentalbahnで使用するために製造した5軸の強力なタンク式客貨両用蒸気機関車です。

<BR 85主要諸元>

 型式:1'E1'h3、全長:16.3m、運転重量:133.6t、軸配置:1E1、軸重:20.1t、動輪径:1.4m、過熱式三気筒、出力:1,103kW、ボイラー圧力:14bar、最高速度:80km/h

 ドイツ南部の黒い森にあるHöllentalbahn(フライブルク(ブライスガウ)~ドナウエッシンゲン間、74.7km)は57.14‰の急勾配を有するため、一部区間がラック式であり、リンゲンバッハ式蒸気機関車プロイセン T 20 (後のBR 97.0) が使用されてきました。

 しかしながらT 26は、最高速度が65km/hと遅いため、スピードアップを図るべく、粘着式に切り替えられることになりました。

 そこで、1931年、ドイツ国鉄DRGがHenschel & Sonn社へ発注したのが、BR 85です。

 BR 85の設計にあたっては、開発の迅速化、コストダウンを図るために、ちょうどその頃、製造が開始された三気筒1E大型貨物用蒸気機関車 BR 44の走り装置と、急行用タンク式蒸気機関車BR 62のボイラーを小改良したものを組み合わせたそうです。

 BR 85は1両(004)が戦災廃車となりましたが、それ以外の9両については、同線が1960年に電化されるまで、ずっと専用機として使用されてきました。

 現在、静態機ではありますが、007が大切に保存されています。

 以上、Wikipedia 独語版 DR-Baureihe 85より引用、参照いたしました。

 さて、Modellbau-Wikiによりますと、決してメジャーな機種ではない本機の模型は長い間、1983年初回発売のMärklin製品が唯一のものでした。

 ボイラー及び台枠、そして車輪がダイカスト、キャブ及び炭庫がプラという構成で、ややごついながらもしっかりした作りの足回りという、いかにも80年代のMärklinらしい製品だと思います。

 全体の感じは悪くないのですが、真横から見たときに後部が下がったように見えますね。

 斜め前から見た感じはいいのですが、やはり気になりますので、以前持っていたものは、後部車体下部にプラの角棒を挟んでを嵩上げしたこともありました。

 走りの方も当時のMärklinであり、DCMモーターでうるさいながらもよく走ると思います。

 なお、上記の通り、実物のBR 85にはBR 44の部品が使われているようですが、MärklinのBR 44とBR 85では模型化された時代が大分異なりますので、模型では部品の転用は行われていないようです。

 それで、こちらで紹介する製品37098は、2012年発売のmfxフルサウンド仕様です。

 002号機との2両セットで発売されました。

 Märklinはこの頃、BR 86など旧製品をmfxフルサウンド仕様に変更して発売しましたが、こちらも同じで、サウンドデコーダー以外は以前のままで、モーターはDCMですし、ライトは電球になっています。

 よって、フルサウンドにした場合、モーターノイズが高いのが欠点です。

 とは言っても、音量がありますし、DCMは安定して走るので、私個人としては、近年の小型モーターよりも好きですね。

 私はかつて、三線アナログ仕様の3309をドイツの模型店で二線化したBR 85 007を持っておりましたが、こちらを入手したため、手放しました。

 上記のように、デジタルサウンド以外は旧製品のままですので、現在の製品と比べてしまうと、見ると見劣りする感は否めません。

 だからといって、もう少しパイピングを別体化するくらいで、私は十分だと思います。

 以前の製品と変わっているのは塗装で、つや消し黒の3309に比べると、こちらは最近の例に漏れず、質感のあるやや光沢のある黒塗装になっているのが良いと思います。

 以前の製品も黒塗装はされておりましたが、プラ部分とダイカスト部分で質感の差異を感じましたが、こちらはさほどでもないと思います。

 ロッドや車輪の黒染めもあり、以前の製品よりもずっと質感が向上しています。

 メルクリン製品のロッド周りはしっかりした作りなのが、好感を持てますね。

 比較したことはないのですが、動輪のフランジも低くなったように見えます。

 が、気のせいかもしれません。

 特筆すべきは標記類です。

 37098-1は001号機ですが、変わったことにナンバーや標記類が金文字になっています。

 ナンバー金文字(真鍮)は、DRG時代だけだと思うのですが、同社のDB BR 23 001もそうなっていますね。

 実際にはどうだったのでしょうか?

 なお相棒の002号機は一般的なDB Kek及び白文字になっています。

 走りはいかにもDCMといった感じで、ノイズは高いながらも安定して走るのが良いと思います。

 前のオーナーの方が発煙装置を組み込んでありましたが、部屋が汚れるので使ったことはありません。

 やはり金文字や黄色文字には違和感がありますね。

 レタリング自体は、以前とは比べ物にならないくらい良くなっていると思います。

 Einheitsのキャブ。

 かっこいいです。

  バックビュー。

 炭庫のはしごは金属製です。

 こうしてみると手すりやハンドレールはごついですね。

 でも、ひん曲がっていないのは良いと思います。

 さて、長らくMärklinの独壇場だったBR 85ですが、2019年、ROCOが完全新規製品を発売しました。

 残念ながら見たことがありませんが、流石にMärklinから30年以上経っておりますので、出来の方は大分良くなっているのでしょうね。

 ただし、価格の方は相当高いようで、日本の模型店の広告を見たらアナログ仕様で5万円弱でした。

 これではとても手が出ません。

 ROCOはBR 44をフルリニューアルしましたが、BR 85に部品は転用されているのでしょうか?

 お持ちの方、情報をいただけましたら幸いです。

 それはともかく、MärklinのBR 85、両数が少ない特殊な機種ですが、走りは良いので模型の世界ではサウンドを響かせて活躍させたいですね。

2020/3/19 記

2020/5/19 掲載

2025/8/25 写真配置変更

 

 

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