ドイツ連邦鉄道 DB 貨物用テンダ式蒸気機関車 BR 54.15-17 1556号機 (TRIX 53 2425 00)
今回はバイエルン王国邦有鉄道が製造した1C貨物用蒸気機関車 BR 54.15-17について紹介したいと思います。
<BR 54.15-17 主要諸元>
型式:1'C h2、全長:17.5m、運転重量:62.2t、軸重:16.3t/16.6t、動輪径:1.35m、過熱式二気筒、出力:765kW、ボイラー圧:13bar、最高速度:65km/h
本形式はバイエルン王国邦有鉄道の飽和式貨物用蒸気機関車 G 3/4 Nの改良型 G 3/4H形として、第一次世界大戦終了後の1919年から23年までに225両が製造されました。
DRGは本機にBR 54 1501-1725を割り当てました。
全てがDRGバイエルングループで使用されたとありますので、南部ドイツで使われていたことになりますね。
なお1910年以降のバイエルン蒸機の形式記号は一番先頭から
・用途(P:旅客、S:急行用、G:貨物)
・テンダ式/タンク式(テンダ式:なし、タンク式:t)
・用途形式1(z:ラック式)
・用途形式2(L:ローカル線用)
・軸数(同軸/全軸)
・蒸気方式(N:Nassdampf 飽和式、H:Heissdampf 過熱式)←省略される場合も多い。
S 3/6(BR 18.4-5)、P 3/5 H(BR 38.4)、GtL 4/4(BR 98.8)、PtL 2/2(BR 98.3 グラスカステン)、Gt 2×4/4(BR 96)など
なおこれ以前は全く別な形式となっておりました。
BB II、DV、DXなど
なお、DRG BR 54(54形式)とは、軸配置1Cの貨物用テンダ式蒸気機関車を表すものですが、本形式以外の他の形式は何れも短命でした。
恐らくですが、小型軽量すぎて不便だったこと、また軸重が軽く、幅広い線区で使用できるBR 50の大量投入によるものと思われます。
BR 54.15-17は、殆どが戦争を生き残り、DBでは1966年まで使われました。
ÖBBはRh 654として5両を運用しましたが、1957年に廃車されたそうです。
本形式も保存されておりませんが、トロイヒリンゲンで発掘された第二次大戦の戦災廃車の残骸が保存されています。
以上、Wikipedia 独語版 Bayerische G 3/4 H より、引用、参照させていただきました。
さて、Modellbau-Wiki Bayerische G 3/4 H によりますと、決してメジャーな機種ではない本機のHOの模型は長い間、1973年初回発売のTRIX製品が唯一のものでした。
同社はBayernの機関車を複数出しておりましたので、その一環かもしれません。
緑/赤動輪のK. Bay. Sts. B. 仕様と黒赤のDRG仕様が発売されておりました。
Modellbau-wikiには、バイエルン 2種とDB 2種、DRG 1種類しか掲載されていないことから、本形式の生産頻度は低いと思われます。
ただし他の例からも、他の番号が作られている可能性はありそうです。
いずれにしても、1558号機が1995年までとありますが、カタログに載っていただけかもしれません。
また、Märklinからは発売されておりません。
こちらの1556号機は、1973-1985年と記載がありました。
分厚い銀車輪からすると、こちらの模型は初期の製品かもしれませんね。
上記のように、TRIXのBR 54.15-17は1995年まで発売されていたようですので、車輪は途中で薄いものに改良されたり、黒染めになっている可能性があります。
流石に46年前の製品だけに現在の目で見ると車輪やロッド周りなど見劣りする感は否めませんが、実車の写真を見る限りでは、スタイルには破綻はないように思えます。
機関車および炭水車共にプラ製のボディです。
こちらの1556号機は、残された実車の写真からか、邦有鉄道時代の金色の石油ランプ仕様になっておりますが、標記類からすると"Deutsche Bundesbahn"ですから、発電機と電灯になっていないとおかしいような気がします。
実際、バリエーションのDRG 54 1518は黒になってるようですし。
上から見ると結構、TRIX製品の例に漏れず、繊細に見えます。
少なくとも、今から半世紀以上前の製品には見えないですね。
なお、BR 54.15-17については、2008年、Fleischmannから新製品が発売されております。
ただし同社が不安定な時期の製品なので、私は写真でしか見たことがありません。
見た感じでは、同社の製品らしく繊細な出来に見えました。
ÖBBやPKP仕様なども発売されたようですね。
細部ですが、上記の通り、当時のTRIXだけに車輪のフランジが高く、かつトレッドがかなり幅広いため、玩具っぽく見えてしまいます。
プラ製のスポーク車輪ですが、フランジと厚さを除いた感じは良いですね。
時代的に仕方ないのですが、銀メッキ車輪、ロッドなのは今の目で見るといまいちに感じます。
ロッドは色だけでなく、何か薄くて実感に欠ける気がします。
反面、ボイラー脇のハンドレールはとても繊細です。
標記類です。
この時代にしては大変繊細で、文字のかすれもありません。
TRIXはレベルが高いと思います。
こうして見ると、ロッド周りこそ、ああまあですが、シリンダにしてもボイラー各部にしてもシャープなモールドであり、結構繊細ですね。
この時代の製品でスタンションが金属製なのは、流石にTRIXです。
繊細なモールドだけに、赤の無塗装は少々きついですね。
車輪を黒染めにしたら、それだけで相当良くなりそう。
BR 54.15-17用のMP車輪って、出てませんでしたっけ?
キャブ下の配管は継手も含め、結構細かいです。
バイエルンのテンダー。
制式機とは形状が異なりますね。
バックビュー。
やはり車輪が目立ってしまいます。
バイエルンのテンダー bay 3 T 18,2。
制式機とは全く形状が異なります。
台枠も良くできていると思います。
本製品は、テンダーモーター/駆動です。
走行の方は、いかにも当時のTRIXらしく、静かではありませんが、確実に走行します。
さて、上記の通り、TRIXのBR 54.15-17は生産時期は長いものの、流通量は決して多くなかったと思われ、中古はまず見ることがありません。
かく言う私もEGS等では見たことはありませんでした。
もう30年近く前に、たまたまあるコレクターの方から譲っていただきましたが、ラッキーでした。
Fleischmann製品の入手は難しいと思いますので、大切にしたいと思います。
2019/2/3 記
2019/12/2 再録
2020/6/26 Blogger用に再構成
2025/8/25 写真配置変更
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