東ドイツ国鉄 DR 入換用蒸気機関車 BR 92.2 214号機 (Liliput 131365)

 今回は東ドイツ国鉄の入換用機関車 BR 92.2について紹介いたします。

 BR 92.2は、バーデン大公国邦有鉄道が開発した入換用機関車Xb 形です。

BR 92.2 主要諸元

 型式: D n2、バッファ間距離:10.65m、運転重量:58.2t、軸重:14.5t、飽和式二気筒、ボイラー圧:13bar、出力:500PSi、動輪径:1,262mm、速度:45km/h。

 さて、DRG BR 92形とは先従輪なしの貨物用4動軸タンク機関車(軸配置0-8-0)をさします。

 BR 92で有名なのは656輌が製造されたプロイセン王国鉄道のT13形(DRG BR 92.5-10 TRIX製品が有名)ですが、こちらはそれに比べると少数派のバーデン大公国鉄道のX b形です。

 X b形は、ますます増大しつつある列車入換の需要にこたえるため、それまで使われていた三動軸のVII a形とX a形に代わり、1907年から製造された入換用機関車でした。

 平坦線では720tの列車を毎時45キロで、20‰勾配では100tの列車を毎時35キロで牽引できました。

 1907年から1921年までの間、98輌が製造されましたが、第一次大戦の戦時賠償でベルギーやフランスに渡ったもの、あるいは1933年から廃車も始まったことから、DBには80輌、DRには2輌が継承されました。

 DRでは1955年まで、DBでは1966年まで使用されました。

 ベルギーに行った機関車(175号機)がスクラップヤードから回収され、現在はノイシュタット/ワインシュトラーセのDEGEに保存されているようですが、残念ながら補修されていないので錆だらけの姿になっているようです。

 以上、Wikipedia Badische X b より引用、参照いたしました。

 さて、私がこの機関車の存在を知ったのは比較的後のことで、Eisenbahn Journal社の"DB Dampf pur"あたりではなかったかと思います。

 ずんぐりむっくりしたスタイルで、また煙突の上に金網が乗っている面白いスタイルでした。

 しかし、かなりの形式がプラで模型化されているドイツ型とは言え、有名どころではない邦有鉄道の入換機ともなりますと、なかなか模型化されず、Modellbau-Wikiによりますと、本機については、1984年のFlugulexの高級ブラス製品が嚆矢のようです。

 その後、1996年にModell-locoのホワイトメタル-真鍮のハイブリッドキットが続き、マイナーな車種をモデル化しているLiliputが、2008年に初めてプラ製の量産品を発売しました。

 とは言うものの、ちょうどユーロの高い時期でしたし、入手することはかないませんでした。

 あきらめていたところに、某中古店にこちらが出て、思わず入手した次第です。

 上記の通り、BR 92.2は殆どがDBで運用されましたが、私が入手したのは僅か2両しかなかったDR機です。

 DB機とは鐘の有無、煙突上部の金網の有無が異なる他、差異はないように思います。

 ただしDR機の写真は見たことがありませんが。

 4軸機ですが小型の部類に属します。

 特に細密なわけではありませんが、なかなかよく出来ているように思います。

 煙突後部のパイプが折れてしまい、接着でつなぎましたが、心もとないです。

 

 

 金属製の動輪はそれほどシャープではありませんが、質感はいいと思います。

 ロッドもやや光りすぎですが、繊細で形も細かいです。

 キャブ上の汽笛?周りの部品もなかなか繊細です。

 レタリングもきれいになりました。

 ドームが配管でつながっているのはバーデン機の特徴のようで、BR 75でも同様な例が見られます。

 Liliputはつや消しの黒ですね。

 走りもスムーズで静かです。

 バタフライスクリーンも他と形状が違っています。

 キャブの形状自体もEinheitsとは違っています。

 邦有鉄道型の入換専用機であり、ほとんど紹介されたことのない機種ですが、私は結構気に入っています。

 この角度から見ると、BR 92.2はオーバーハングが長いですね。

2009/10/30 入線

2016/4/13 記

2020/3/6 写真全更新、文章修正の上、20/4/16 再録

2020/5/20 Blogger用に再編集

 

 

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