ドイツ連邦鉄道 DB 小型ディーゼル機関車 Köf II BR 323 874-8号機 (BRAWA 0484)
今日は西ドイツ国鉄 DBの小型ディーゼル機関車 Köf IIを紹介します。
Köf IIは、ドイツ国鉄 DRGが開発した小型ディーゼル機関車です。
Köf II 主要諸元
バッファ間距離:6,750mm、ガソリン/ディーゼルエンジン、128PS、速度30/45km/h、重量17t。
なお、Köfとは、K:小型、ö:内燃機関、f:液体変速機を表すそうです。
鉄道輸送の主役が客貨車のドイツでは、各種の入換機の根強い需要があります。
それは、2010年代においても新型の重入替機261型が投入されていることからも明らかでしょう。
さて、現在のドイツの鉄道は、欧州各国を行き来する幹線の重貨物列車が鉄道の主役となっているようですが、戦前期においては、支線区も含め輸送の王者だったことは疑いがありません。
そんな中、1930年頃、DRGは実用の域に達していた内燃機関を使用した2種類の小型機関車(Leistungsgruppe I(50PS以下)及び、Leistungsgruppe II(51~150PS))を計画しました。
日本では移動機に分類される分類されるべきこれらの小型機は、二軸貨車全盛時代には、根強い需要があったのでしょう。
そして取扱い、保守や始動の容易さ、取扱い環境等から蒸気機関ではなく、内燃機関が選定されたものと思います。
なお、Leistungsgruppe IIにはドイツが得意とするAkkulok……日本では鉱山鉄道等でしか見られない充電式……も実用化されています。 (BR Ks 後のBR 381及びBR 382)
それで、今回紹介するのはLeistungsgruppe II Köf II です。
1932年の試作車から、何と1968年までの36年!の長きに渡り、概ねこの古めかしいスタイルのまま、総計で2,000輌以上(DRG、DB、DR、私鉄、国防軍、軍需産業等)が製造されたようです。
残念ながら、Web上の情報はまちまちで、正確な数値はわかりませんでしたが。
ディーゼル機関車の第2位はV 60の942輌、第3位はDR 130系の873輌となりますので、文句なく第1位ですね。
DBAGでは1999年に引退したようですが、私鉄機や1,000mm軌間対応機はいまだに現役ですし、動態を含めた保存車も多数存在します。
以上、WIkipedia DR-Kleinlokomotive Leistungsgruppe II より引用、参照いたしました。
さて、ドイツ全土で見られたKöf IIですが、ModellbauーWikiによりますと、移動機という特殊な車輌だけに模型化された数は決して多くはありません。
それでもHOでは、BRAWA、Märklin/TRIX、LENZ、IIm:LGB、I:Märklin、N:Arnoldから発売されており、どれもよい出来のようです。
以前のK.Bay.Sts.B BB IIの記事にも書きましたが、欧州製品は小型機に対し思い入れの強いものが多いように感じますね。
さて、本題のHOでは古くからBRAWAの製品が発売されておりましたが、さすがに大昔のものだけに出来の方は大時代的なものでした。
Webで調べた限りでは、BRAWAの旧製品の発売年はわかりませんでしたが、その前身がSommerferdtの1955年!の製品ということがわかりました。
65年も前から移動機が発売されていたとは……、欧州型、恐るべしですね。
それから30年経った1985年にこちらのBRAWA製品が発売されました。
BRAWAは、DB、DRG、DR、それに私鉄など、実に多様なバリエーションを発売しておりますが、うちのはDB エポックIVで、冬季の作業性改善のためにドアを取り付けたタイプです。
発売当時、"Supermodell"と銘打っていただけあって、すばらしい出来の製品だと思います。
二軸の無蓋車よりも背が低い全体の感じを大変よく表現していると思いますし、小さなモデルですが重量感があります。
塗装もきれいですし、主要構造がダイカスト製ということも一役買っているのでしょう。
ご覧の通り、メーカーズプレートの印刷、給気グリル、ブレーキ用エアタンクの配管やリベットなどの細部が大変よく出来ております。
手摺が金属というのもシャープでいいですね。
バッファーは大変実感的で、更にスプリングで可動します。
さすがにライトは点灯しませんが、レンズがはめ込まれています。
LEDが一般的でなかった時代ですので、下手に電球をつけてバランスを崩すよりは、私はこれで十分と思います。
時代的に車輪が黒染めではないのが残念ですね。
小型機故に映えると思いますので。
グリルがきれいに抜けていて、中の給気ファンが見えるのがかっこいいですね!
このファンは、ROCOのKöf III(BR 333)同様、モーター軸に直結されており、回転します。
車が停まってしまうと回転も停まってしまいますが、面白いギミックだと思います。
キャブビューはこのようになっています。
BRAWAは写真のようなダミー連結器が付いていました。
実感的ではありますが、これでは列車は牽引できませんね。
確かフック式が付属しているはずです。
ROCOのBR 333とは異なり、車軸は固定です。
そのためか、集電不良になりやすい傾向にあります。
それでも、ダイカスト製のため重量があり、また車輪幅がそれなりにあるせいか、超小型機にしては集電はよい方だと思います。
また、集電不良は車輪の汚れだけでなく、集電シューがむき出しで、埃を食いやすいということもありますので、注意してください。
さすが欧州型と思うのは、ギア比が十分で、かつギアの精度が高いので、速度の変化なく、スケールスピートで走るのはさすがと思います。
この手の小型機は、ギア比が取れずラビットスタートになったり、トルク不足で特急電車並みの速度でないと連続走行できなかったり、カーブで速度が落ちたりするものなど、実感的な走行ができない製品を多々見かけますので。
何しろ実車は最高45km/hですから。
このような小型機が80km/hで走ったら興醒めですよね。
モーターはNゲージ用のような小型で、何かマイクロのモーターに似ていますので、モーター自身の性能は大したことはないのでしょう。
走行音はそれなりにしますが、うちのは後進の方が静かに走ります。
製品化の時代的にアナログです。
ほとんど紹介されることのない機種と思いますが、大切にしようと思います。
BRAWA 0484 2004年5月16日 入線
2020/2/19記
2020/5/20 Blogger用に再編集
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